2015-01-01から1年間の記事一覧

私のご馳走帖:京阪神-寿司篇

内田百閒という、作家がいました。 ニコニコ動画やPixivのタグのように紹介するならば、「夏目漱石の弟子」「幻想小説」「鉄道オタク」「猫好き」「グルメ」「随筆家」と知られる彼の作品。 有名な作品では『阿房列車』『旅順』などがありますが、「餓鬼道肴…

駅と線

神奈川県は3つの政令指定都市を抱えています。横浜市、川崎市、相模原市。 人がいるというだけでサービス業は生まれますし、横浜は港街として知られ、川崎は工業街として知られるますが、一方で東京へ通勤・通学する人が住んでいるという点もあります。 横浜…

戦車的、あまりに戦車的な

『ガールズ&パンツァー劇場版』を観ました。以下ネタバレありの感想です。 <誠に小さな学園艦が廃校期を迎えている。小さなといえば、大洗ほど小さな学園艦はなかったであろう。特色といえる特色もなく、人材といえば長年の間、よくある特権階級であった生…

007の亡霊(たち)

『007 スペクター(Spectre)』を観ました。以下核心部分含め所感です。 ダニエル・クレイグ主演4作目のジェームズ・ボンド。『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』『スカイフォール』と続くこの作品、 まず、注目したいのは光の影の使い方。イタリアの宮殿…

空気のように軽いもの

履物といえば、靴ですが、短靴というからには長靴があるわけで、ブーツは存在感あるジャンルなわけです。靴の歴史としてさまざまなエピソードがありますが、こと日本において語られているのは最初にブーツを履いた坂本龍馬とそのサイドゴアブーツでしょう。 …

無言の後衛

革靴を長く履くためのメンテナンスにはデイリーやウィークリーの、家で行うためのものと、底の張り替えといった自分ではできないものがあります。 特に底の張り替えは、大きな区切りとなるところで、例えば革底だった靴を雨用にゴム底にしたり、ゴム底のなか…

さて知らずの記

宮城興業を知ったのはWFGとのコラボ「ミヤギコウギョウ」でしたが、セミオーダーの靴や、百貨店向けのメーカーブランドも展開していることを知りました。 初めて展開していた大阪の百貨店で見かけたときはそのまま買ってしまいました。1種類しか持っていませ…

Study in Brown

茶靴、というのは黒靴よりもフォーマル性は下がります。というよりもインフォーマルなカジュアルな靴であり、キャップトゥであれ余暇の靴でした。 ロンドンにはあいにく行ったことないですが、ロンドン・シティのビジネスパーソンは黒靴ばかりというのはよく…

たとえ、天が落ちようとも

宮城興業とWorldfootwearGalleryのコラボ「ミヤギコウギョウ」ブランドの靴は、キャップトゥ「ベニバナ」以外にもさまざな靴が展開されており、現在6足ほど購入してきました。 現在履いてるミヤギコウギョウについて、簡単にまとめておきたいと思います。 …

黒ざめた乗馬靴

乗馬用の靴として誕生したというjodhpurs boots。 初めて履いたエドワードグリーンはこちらでした。 セールになっていたので思わず買ってしまい…… 英国サイズ6.5〜7.5あたりを履いてるのですが、こちらは7でした。 (82ラストは202よりも細くなっていますし…

捜査の行方

もっとも長く続いている日本のミステリードラマは『相棒』なのではないしょうか。 新シリーズ・新相棒の行き着くところも気になりますが、今回考えたいのは「特命係はスゴイのか」です。 それはもちろん、特命係の2人が通常の捜査には引っかからない、逃げら…

末咲く花の色深く

まゆはきを おもかげにして べにこのはな 松尾芭蕉『奥の細道』で読まれたこの句、読まれま場所は現在の山形県になります。江戸時代、山形は紅花の産地として有名で京都・大阪に船で輸送するほどのでした。そのためでしょうか、山形県の花は「ベニバナ」です…

Thinking in the rain

秋雨のシーズンが終わり、これから秋めいていくのでしょうか。最高気温は25度が超える日もあり、昼日向では背抜きのジャケットを着ていると汗ばむので、秋に突入!にはまだなっていないでしょうが、朝夜は虫の音と相まって秋を感じます。 長雨のシーズン、悩…

”Health and Safety”

男の靴の品格として、紐なしの靴はアリよりも下に置かれてきました。 ・キャップトゥ ・プレーントゥ ・ブローグ ・エプロンダービー こうした紐ありの靴がフォーマル、ビジネスに適している、そして紐なしのスリッポンは、「例外」として認められる場合があ…

龍は忘れない?

江戸総鎮守といえば、有名な神田明神。日枝神社とともに江戸の守りとして有名な神社です。では、関東総鎮守と称された神社があるのをご存じでしょうか。 それは、箱根の関所の北・元箱根にある箱根神社。京や大阪から関東に「入る」場所にあるため、関東総鎮…

ブラタモリ学

六本木で、知名度は六本木のヒルズの陰に隠れがちですが、比類する巨大さを持つ複合施設東京ミッドタウン。ここがむかし大名屋敷であったことは『ブラタモリ』六本木回を観たことがある人ならご存知でしょう。 NHKで人気の『ブラタモリ』。東京のさまざまな…

川の上の雲

京都の寺社仏閣は街に多くあることが特色ですが、嵐山や比叡山など「際」の部分にも特色的な寺社は多くあります。貴船神社もそうした寺社の一つと言えるでしょう。左京区の山奥、川沿いの道路に沿って、本宮、中宮、奥宮とあり、夏でも涼しい空間です。 貴船…

物語が隆起する

物語に必要な要素として、当たり前ですが、場所が必要です。 異世界を始め、まったくの架空の空間のこともあれば、実在する場所を元につくられた架空の空間、実際ある地名が元になることもあります。 「聖地巡礼」と言われている観光スタイルで当てはまるの…

ストーリー・イデオロギー

目の前に置かれた商品とその値段だけ見て高い・安いということは簡単ですが、そこに背景のストーリーがあるとまた複雑になってきます。 鞄が5万円、という値付があるとして、決して安い値段ではないですが、「●●で人気のブランド」であったりとか、「職人が…

銘〈ネーミング〉の生態系

”The City“ この単語を聞いて、ロンドンに少し詳しい人ならば、「市」ではなく、「ロンドン金融街」がい思いつくかもしれません。高級靴のブランドとして知られるジョン・ロブ(JOHN LOBB)では、この金融街の名前を冠した靴があります。 “Dover” 英仏海峡=…

バスから考える

京都に1年ぶりに行きました。 前回は大阪から行きましたが、今回は東京から行って、あらためて感じるのは観光の街なんだな、と。京都駅に降り立つと日本国内外を問わず観光で来ているであろうキャリーバッグを持った人や、おみやげの袋を両手に抱えている人…

評装のテイコク

京都の夏は東京の夏とどことなく違う気がします。中央に鴨川が流れ、東京よりも緑が多い分、涼しい気もするし、盆地ならではの昼の暑さがあるような気もしますね。 京都のお茶屋一保堂茶舗で緑茶・抹茶を楽しむ日本人を見ると、京都=日本の文化を味わい、楽…