”Health and Safety”
男の靴の品格として、紐なしの靴はアリよりも下に置かれてきました。
・キャップトゥ
・プレーントゥ
・ブローグ
・エプロンダービー
こうした紐ありの靴がフォーマル、ビジネスに適している、そして紐なしのスリッポンは、「例外」として認められる場合があるというような立ち位置のことが圧倒的です。
しかし、チェルシーブーツとして知られるサイドゴアブーツが国王が国会登壇時に履いていく靴として格式のある靴たちの仲間入りをしたことや、もともとオペラシューズが最上位の格式高い靴としてあったことを考えると紐なしだから、といって自動的に排除するのは野暮なのではないでしょうか。オペラシューズは今の女性のパンプスですし……
そこで、取り上げられるのは、品がありそうなスリッポンになります。
・タッセルローファー
・ローファー
・サイドエラスティックシューズ
ローファーは、オペラシューズの現代解釈のような、ドレス仕様として使うのならば単なるローファーでなくて、ドレスらしさを求められそうですが、これをシュッとした、と言っていいのか、それってどういうことなのか具体的に指ししめすのは、雰囲気を伝えるのは難しいところがありそうです。これは、タッセルローファーにも同じことがいえそうです。
こういったビジネス向きのスリッポンとして最初に紹介されるのが、サイドエラスティックシューズでしょうか。サイドゴアブーツと同じくゴムを仕込んでいますが、目立たないようになっているのが特徴です。キャップトゥやブローグシューズのような表情なのに、紐なしの靴として脱ぎ履きがしやすく、家やお座敷にあがるといった靴を脱ぐ習慣がある日本には適している靴でしょう。
以前、京都に行った際、寺社で靴を脱ぐ機会が多く、こういった靴があっても良いかなと思い、探していました。
手に入れたのは日本のCENTRALというブランド。セントラル製靴というさまざなブランドに靴を製造してはいたメーカーの、オリジナルブランドとしての展開になります。
かなりタイトな造りで、通常のサイズより0.5〜1ほど上げなければ履けないほどです。
靴のモデル名は「初秋」。ちょうど今の季節のような名前ですね。タイプとしてはキャップトゥではなく、プレーントゥの爪先にブローグがあるデザイン。
面白いことにインソックスや靴底が藍色で塗られており、よくある革靴の黒のものとは一風変わっています。この藍色のせいか、靴の履き始め、底が削られて本来の白茶色の部分が出てくると、そこが花が咲いたようになるのが特徴的です。
在庫のタイミングの問題でブラックがなく、ダークブラウンとなりましたが、光の加減では黒に見えるほどでそれはそれで面白く感じております。
"Health and safety" - James Bond"Skyfall"
まだ、2ヶ月ほどしか体験していませんが、かつてはジェームズ・ボンドも愛用していたというこのタイプの靴。着脱の必要がある際には活躍が期待できそうです。