運命のネイビーサイド

はた目から見ると同じように見えるけれど、ついついワードローブに増えてしまうたぐいのものが1つや2つ、あると思います。

シャツや、ジーンズ、スリッポンなど、色味や襟型が違っているからこそ、手にして今うわけですが、家族から見ると「同じようなものを…」となることも少なくないのではないでしょうか。

 

正直、メンズドレスクロージングに興味ない人からすれば、冠婚葬祭でキャップトゥだろうが、ローファーだろうが違わず、なんとなく「黒い靴履いているな」というのが大事なのかもしれません。

 

一方で、興味ある人からすると、その差異こそが大事で、だからこそ、微妙なネイビー/グレー/ブラウンの色出しを気にし、同じサイズでもより「合っている」アイテムを身に着けたいと考えているのだと思います。

「何をどう集めていくか」というか、「集まってしまうのか」は人によって異なるでしょうが、私の場合は「ネイビーブレザー」がそれに該当します。

 

思わずワードローブの仲間入りしたのは「Alfonso Sirica」。イタリアの、ほとんどハンドメイドで作られているメーカーブランドです。

色味がフォーマルよりながら、黒に見間違えるほどダークネイビーなブレザーより青みがかっており、より着こなしやすそうな点、そして、ほぼハンドという造りが気になり「仲間入り」となりました。

背中の中央線など、地縫いと呼ばれる箇所以外はハンドになっており、襟の表情が独特で唯一無二になっています。

ボタンホールも手縫いで、ボタンを留めると外しにくく、これはまだボタンホールがボタンの形に「馴染んで」いないことによる起きるもの。

ナポリのブランドらしく、前ダーツが下まで伸びています。こうすることで、重心が前に移動させる効果があり、着心地に変化があるらしいです。

やや腕は太目ですが、着てみるとちょうどいいバランスで、着心地はとても楽です。ウェイトはとても重い生地なのですが、脱いで手に持つ感触と、着ている重さはだいぶ違います。先に記したダーツの部分をはじめ、型紙が優れている…ということを実感します。もともと突き皺がでやすい体型なのですが、もっともでにくいジャケットであるところも個人的には、感嘆したところです。

 

2023年の東京は暑く、今日で真夏日が90日目とのこと。およそ一年間の1/4が真夏日というは暑さで、ブレザーを羽織るのはなかなか難しかったですが、ようやく秋の入り口が見えてきました。

これが地球温暖化の成果は不明ですが、暑い日が増えていくなら、そのうちSS/AWの区分けもなくなり、SSと別に「猛暑」枠ができ、AWはSSコーデ+コートが最適解になるかもしれません……

気候のことはわかりませんが、涼しくなってきたら、このブレザーで、どういうコーデをするか楽しみにしています。