In a Narrow tone

ホリゾンタルカラーのシャツは「流行った」過去のものとなりつつあり、タブカラーやボタンダウン、ピンホールなど、「Vゾーンは広いものから狭めて盛り上げるもの」へと移行しつつあります。

 

高度経済成長期や固定電話など、10~20年続くから当たり前だと思っていたものが終わることもあり、会社勤めや恋愛婚など、ひるがえって見ると「ニューノーマル」となっていくものもあるでしょう。
ファッションは螺旋階段のようなところがあり、「行きつ戻りつ」の中で、素材や製法などのアップデートがあり続けるのだと思いますが、メンズドレスの世界でいえば、「クラシックなシャツ=Vゾーンが狭い」ので、ワイドカラーの流行がここ10~20年の一時的なもの、ということはできるのではないでしょうか。
一方で、デジタルに、世界中のファッショニスタの着こなしを参照し、発信することができるのは史上初なのですから、その中で、「来る」スタイルが出現するかもしれません。
また、チャールズ皇太子殿下は、自身のクラシックスタイルを貫いていることで、メンズドレスでは有名ですが、彼は「自分がもてはやされる時が、30年に1度来る」といった趣旨のことを言っていました。どんなスタイルでも貫いていると、流行の行きつ戻りつのなかで、ジャストフィットする時があるということだと思いますが、「変わらないルール」をつくりあげるのもアリなのではないでしょうか。

 

個人的にも、ボタンダウンなどを着つつ、ワイド、そして可能ならホリゾンタルも着こなし続けられるのは、すごいと思いますが、自分ではホリゾンタルをアップデートする装いは思いつかないのが正直なところです……カラーの開き具合を活かしたノータイスタイルなら?でしょうか。

 

いずれにしろ、まずは自分で試して着てみて…というところから、はじめてのシャツを手に入れました。

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BOLZONELLAのウェスタンシャツです。両胸ポケットのワークシャツは所有していましたが、レギュラーカラーのウェスタンシャツは初です。ウェスタンシャツはボタンがスナップで、両胸ポケットにフラップもある、カジュアルなシャツですが、ジャケットやスーツの下に着ると、一見すると「白のレギュラーシャツ」を着ているようで、実は違う、といった組み合わせができます。

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ウェスタンシャツにフランネルスーツ

シングルジャケットですと、両胸のフラップポケットがチラチラしますが、doubleジャケットだと、完全に隠れるので、通常のレギュラーカラーシャツのように見えます。

 

もちろん、カジュアル度の高いシャツなので、フォーマルシーンには全く適しませんが、アクティブなジャケパンスタイルなどには、単なるレギュラーからに見えて実は……な点と、襟先が長いため、跳ねて「表情を作る」ことができる点が、特に気に入っている点です。

両胸にフラップポケットがあることで、カジュアル感があるのもいいですね。

襟先の長さのバランスなど、ドレススタイルにアメリカンカジュアルの要素を落とし込むのはイタリアファッションはうまいな、と感心してしまいます。

 

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袖先には遊びの刺繍

スナップボタンなので、肌に触れる時に、冷たいのと、第一ボタンを留める時、喉元を押すことになり、なかなか難しいですが(笑)、タイを締めるけれど、とか、ジャケットを着るけれど、カジュアル要素を積極的に入れこみたい場合にとても活躍しそうです。