お箸を止めるな!

最近、和食を食べる機会が多いせいか、あるいは以前よりぼんやりと食べることはなくなったせいか、やや傾向があると思います。

創作に振る創作系、伝統を守る伝統系の大きな枠組みは昔からあるものでしょうが、焼き鳥のワインとのマリアージュや、熟成寿司など、ここに来て21世紀のトレンドなのではないでしょうか。

 

1)伝統系

昔からの作り方を守るもので、寿司がわかりやすいでしょうか。使うネタの種類も江戸前的な範囲に限定しがちですが、その分わかりやすく、仕事をするタイプのもの。

懐石やちょっとお高い居酒屋系だと出汁はちゃんと魚介で取り、刺身も変わったネタより季節のネタを使い、旨味をだしてくるタイプ。老舗のお店が必然的に多くなりますが、若くも愚直に守るタイプ独立店もあるようです。

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2)創作系

創作系はa)他料理素材を使ったり、b)クリエイションにこだわったりとするのものがありますが、大抵両方のテイストが入っているのではないでしょうか。

寿司にフォアグラを使ったり、肉じゃがの構成要素を変化させたりするものです。他料理から進出して来た料理人のお店や、和料理なら和料理の職人だけれども若手の方が他国料理に触発されて、のパターンが多いのでしょうか。

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もちろん、新しい手法を取り入れない、というお店はかなり少ないでしょうし、寿司が誕生した江戸時代からすると新しい手法の軍艦巻きが広まって、もはや伝統的に見え、海苔で巻かないイクラカニ、ウニの寿司の方が珍しい選択でしょうから、この辺を厳密に考えると多くのお寿司屋さんは創作と言えてしまいます。そこで、テリーヌやジュレといった西洋料理的な手法や、フォアグラやバルサミコ酢といった西洋料理の素材を使っているものに関しては、創作的といった方が分類する意義がありそうです。

また、熟成のような手法も、もともと「寝かす」といった仕事が江戸前寿司にはありつつも、それを強調して注目さらたのは、熟成肉ブームの後のようですので、これもニューウェーブといえそうです。

 

中華やフレンチ、東南アジア料理なども日本に入った時点で日本人に好むようにつくられてますし、昔の人より現代の人のほうが塩辛くない味付けが望まれる点では常に革新があるとは思いますが、単に「日本料理」「和食」というのも幅がありますのでこういった分類をしていければより、店の特長や時代の特徴を掴みやすいかもしれません。