半年の散歩

紐靴よりスリッポンのほうがカジュアルな装いでも対応が可能ですが、スーツの素材感を注意しないと、ちぐはぐになってしまう恐れがあります。

リネン・ポップサック・ブラウンなど、素材や織、色がカジュアルなものであれば、スーツとスリッポンの合わせがしやすくなりますが、冠婚葬祭に向けているようなつるつるのウーステッドのダークネイビーなんかだと、靴もその「重たさ」を受け止められるものでなければなりません。もちろん、ネクタイやシャツもカジュアルな色や素材は難しいでしょうから、ファッションとしての自由度/着回し度は決して高くないのかもしれません。

 

多くの「メンズファッションの教科書」では、間違いのないはじめの一歩として「ネイビーソリッドスーツ」「ブルーのタイ」「白シャツ」「黒のキャップトゥ」が進められますが、これはビジネススタイルとしては王道中の王道であるものの、カジュアルなふり幅を持った着回しを目指すのであれば、この限りではないのかもしれません。

ドレススタイルのカジュアルは難しいからまずは王道を、とか、日本で多くの人が本格的にスーツスタイルに触れる州活字をイメージして、というのもいいとは思いますが、必ずしもスーツスタイルがビジネスに必要ではないからこそ、「どういうスーツやジャケットの使い方をしたいのか」が重要ではないでしょうか。

 

タイをしててもしてなくても、ジャケパンでもスーツでもサマになるスリッポンとして「タッセルローファー」があります。

タッセルがついていることで、ローファーよりドレッシーな恰好にも合うスリッポンとなっていて、タッセルローファー発祥の米国ではスーツと一緒に着られていることもあるように、スーツにも合わせることができるスリッポンです。

 

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スエードのものをすでに2足持っていますが、その活用頻度の高さに、表革のものが欲しくなり、購入したのが、エドワードグリーンの”Belgravia”です。

タッセルの紐部分が編み込みになっているほか、甲の部分がタッセル以外隠れているのが、他社の一般的なタッセルローファーとは違う点です。

また、バックの「つまみ」があり、元祖タッセルローファーと言われるブルックスブラザーズ別注のオールデン製に見られるディティールに触発されてのものでしょうか。

こういった独自のデザインに、他社のものよりドレッシーに昇華している点は、このブランドのデザインセンスの高さを感じます。個人的には、キャップトゥのスワンネック以上の独自デザインを持つ靴だと思っています笑

 

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これまでのエドワードグリーンのスリッポンはどれも同じサイズを履いていたものの、ローファーとしてはよりタイトなものでもいいかなと考えて、ハーフサイズ下げました。

が、これが結構きつい!となっており、実は半年前に手に入れたのですが、まだジャストサイズにはなりきっていないようです…外出する機会が減少するのに相まって、靴をなじませる時間も長くなってきているようです。

この靴がなじむころには、気軽に旅行できるようになっているといいのですが…

靴が増えると装いの選択肢が増えるのがうれしいですね。