Another one: buy it dusty;色違い

装いのアイテムを増やして行く際によくやるのが色違いのものを買っていくこと。以前、ここで紹介したチェスターコートのようにシルエットは同じものを色違いで買うと、使い方の違いは純粋に色の違いとなり、新しい色を取り入れやすいのではないでしょうか。

チェスターコートの場合、ブランドなどは手持ちのチェスターコートと違うシルエットが同じの色違いでしたが、もっと厳密?に、メーカーが同じでの色違いのものを買うことも、気づくといろいろなところでやってました。

 

スーツの場合、3つボタン段返しのスタイルが好きなのですが、柄や色はもちろん、返しの具合やウェストの絞り込み具合、パンツの細さ・太さなどを好みで絞り込んでいくとなかなかクリアするものが減っていってしまいます。気に入ったスーツの色違いがあれば、購入してしまいます。特にツープライスブランドの店ではその年によっては出てくる柄やシルエットが気に入らないものしかない、というときもあります。買って後悔よりも買わぬ後悔とコレクターの格言にありますが、「出会ったタイミングで買う」のは大事かな、と思います。(衝動買いと区別つけるのが難しいところですが……)

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画像のスーツは基本のスーツとして探してた、無地のチャコールグレーとネイビーのスーツ。Suit Company系列はよく利用するのですが、完全な無地のスーツはなかなか見つからず、ちょうど見つけたブランドので展開していた違う2色の同じスーツを購入。

ジャケットの内側のポケットは意外と位置がそれぞれ異なりますが、こういった色違いのものであれば、そのあたりの使い勝手も変わらないのも良い点です。

 

ネクタイも、シルエットは大きく変わらないため、すべて色違いのようなものなのですが、青地にドットの

ものはいくつもあっても困らない……と同時に買ったのがこの2本のFairfaxのタイ。ブルーの明度が違うため、気分やその日の予定の内容に合わせて使い分けています。

シャツも同じくFairfaxのタイトシルエットのものを白とサックスで。シャツはカラーの幅だけでなく、見頃のゆとりの具合もシャツによって異なるもの。そこがフィットしているものだと安心します。

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靴はミヤギコウギョウはラストが2種類しかないので、色違いのようなとのですが、最近だとスエードのダブルモンクを購入。ブラックのダブルモンクはすでに愛用して履き心地はわかってましたが、よりリラックスしたシーンが多いときならばオンオフ限らず使えるのが良いところです。

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さまざまなブランドを試して使い勝手を知るのも良いですが、もうすでに使い心地がわかっているブランドからの選択はチャレンジミスということはないです。すべての物を試すのは不可能な以上、同じブランドをさらに使い込んでいくのも良いのかもしれません。

Ration GA GA:冬のオフィススタイル

短い通勤時間であってもコートに手が伸びる時期。案外オフィスが暖かいと、服装が難しくなってきます。外部の方へ出向いての打ち合わせもなく、1日暖かいオフィスにいるのなら、コートやジャケットの下はラフでも良い気もする一方で、年末年始の会食も多い時期だと、初めましてやそれに近い人に会うことも多いです。また、昼は暖かい日もあるけれど、飲み会終わりはもう寒くて……という日もあったり。

そんな時期、暖かく、ラフすぎる格好はできないのけれど、オフィスにいるし、動きやすい格好でいたいという問題に直面します。

 

手っ取り早く、暖かいな、と思えるのはネクタイをすること。首元を開けていないせいか、同じ気温でも感じる寒さが違います。それでいてきっちりしたイメージを周りに与えられますし、夏に寝ていた?タイの活躍の場です。

また、ジャケットを脱いだ方が、ワークに取り掛かりやすいものの、夏と同じようなシャツ姿もなんだかだし、そこまで暖かくないということも。そこでベストや、カーディガンなんかが活躍します。カーディガンは無地のハイゲージだと薄手で使いやすいですかね。厚いとカジュアルになってしまうので。

タイとジャケットの間にベストなどを挟むと外での暖かさも3〜4℃は違うのではないでしょうか。さらにマフラーを巻けば10℃をすこし下回るくらいであれば大丈夫です。

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スリーピースのスーツをフルで使うことはなかなかシチュエーションがないと難しいかもしれませんが、ベストとジャケットを使いつつ、パンツだけは、グレースラックスなどにするとスリーピースのドレスダウン版としてクローゼットに眠らせることなく着回せるのではないでしょうか。

同じようにジャケットと同系色のカーディガンを挟むことでベスト風にまとまりよく装うことができますし、パンツとカーディガンの色を揃えてもまとまりよくなります。

ジャケットはラウンジコートと呼ばれるものが原型、と聞いたことがありますがやはり、室内で着たままだと動きづらい、リラックスしてとりかかりにくいということがあると思います。そういう時、さっと脱ぎつつも室内でも外でも暖かさとスマートに見えることを心がけたいものです。

 

暦の上でもディセンバー

10月に入るくらいの頃は、夏の延長線上、という気もしますが、11月になると秋やら冬やらといった空気になってきます。毎年がそうなのかは思い出せませんが、庭で金魚やメダカなど、水の生き物を飼育している人のブログによると、11月中のある日に冬眠して魚たちがいなくなるそうですし、コートの準備をするのも、ちょうどこのあたり。秋のイメージが強い紅葉は12月まで見れますが、装いとしての冬が始まるのは11月のどこか、なのでしょうか。

 

コートもステンカラーが多くみられる春/秋用のものもあれば、チェスターコートなど冬用の厚手のものもありますが、自身のクローゼットには冬用のものしかありません。単純にスペースの問題と、ジャケットやシャツなどの調節で乗り切ることが多いからでしょうか。SSものを厚く着る/AWものを軽快に着るのどちらかで冬以外の季節は乗り切れると感じております。(単に「めぐり合わせ」といいますか、買うタイミングがなかっただけ、なのですが)

 

で、手元にあるのは、いずれもネイビーのチェスター、ポロ、ピーコートと、グレーのダウン。ドレスコートとしては、ネイビーがもっとも使いやすいと考え、フォーマルはもちろん、ジャケットなしの装いでも活躍するチェスターや、ビジネスでスーツやじゃけぱんを選ばないポロ。丈がながいためフツーのピーコートと違ってジャケットの上から羽織れるためビジネスでも違和感ないピーコートとあり、機能性では雪が降っても寒くなりにくいダウンと合わせて特に不足を感じないクローゼットのコートコーナーでしたが、色合いがすべてネイビーなことを考え、他の色のコートを思案していました。グレーのチェスターも昔は合ったのですが、どうもしっくりこなく、今に至ります。ハンドトゥース柄も考えたのですが、程よいのがなく、いきついたのがベージュのチェスターコート

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現にチェスターコートを持っており、シルエットとしてはなじみがあること、そして、どうやらコートの基本の色はネイビーとベージュであることを知り、こちらに。個人的にはグレーはどうしてもオンのイメージが強いのですが、ベージュはむしろオフの色で休日も使いこなせそうです。コートの世界では、ジャケットやパンツのネイビー/グレーが基本と違い、 ネイビー/ベージュが基本と言うことを最近知ったのですが(それが正当性があるかはともかく)、ステンカラーコートはベージュがネイビーはじめの多色よりも見かけることを考えるとそう不思議はないのかもしれません。

オフの日のチェスターの装いだと今日のトレンドがジャケットなしの着こなし。これはもともとどこから来たのでしょうか。ダッフルコートやピーコートはジャケットなしで着るイメージが強いですが、そういった着こなしが格上のコートであったチェスターにも来たのでしょうか。あるいはジャケット+Tシャツのような着こなしが、ジャケットにシルエットが近いチェスターに応用されたのでしょうか。それとも、トレンチコート+ブラウスのような女性ファッションに感化された着こなしなのでしょうか。これまでなかった波として気になるところです。

ちなみにコートにも格式はあり、チェスター>ポロ>ステンカラー=トレンチ>ピーコート=ダッフルなイメージです。国際的な冠婚葬祭の式典でのチェスター一色の風景や、とあるファッショニスタのタキシードの上にダッフルが伝説化するのも、こうした格式の影響によるものなのでしょう。

本来的なTPOと、新しい装いどちらも楽しめる冬にしたいものです。

リフレクティア:靴の磨きについて

キャップトゥやプレーントゥ、あるいはダブルモンクのキャップトゥ的な箇所をみるとその人の靴の磨き方が端的に出ていると思います。

つまり、ワックスを使うのか。ピカピカテカテカが好きなのか。マットなのが好きなのか。

ワックスを使う行為が通常のメンテと違う技術を必要とする作業になるので、そこのウマイヘタもあるかもしれません。

ワックスでの磨きは靴にとってダメージなのか、そうでないのか、という論争はずいぶん前からありますが、それだけではなく、ワックスを使う=メンテ時リムーバーを使用する→リムーバーでの除去ダメージも大きいのではないか、という懸念も一定数あるようです。一方で、ワックスしか使わない、クリームも使わない、という人もいたりして、ホント人それぞれ、です。

個人的には、メンテナンスのクリームしかほぼ使わず、ワックスはあまり使わないのですがキャップトゥのつま先が削れてしまい、以来ごまかしとかしこまった靴向けとして使っています(笑)

クリームでは隠せないほどのキズであっても、ワックスだと反射などでごまかすことができるみたいです。本格的に削れた場合は、専用のパテ?が必要になってきますが…

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あとは基本的に自然派といいますか、メンテナンスとして靴クリームを塗りこんでいくくらいしかしていません。もっとも使っているサフィールノワールモデルなど、輝き成分が多いため、磨くと結構光るな…という印象を受けますが、それえで十分と思っています。ときどき、クリームの除去もおこないますが、それもリムーバーよりもレザーローションや、濡らした布掛け程度ですましてしまうのがほとんどです。

しっかりとワックスをかけた靴の汚れ除去、のような状況ではない限り、リムーバーは使わず、「最後の手段」となっています。

 

数多く持つミヤギコウギョウブランドの仕様なのですが、キャップトゥをはじめワックスがけされていることがほとんどで、すでに光輝いているんです。そのため、本来はワックスはいらないのかもしれませんし、純正修理のメニューにワックス塗り替え?といったものがあったので、下手な素人の上塗りよりお任せしたほうが良いのかもしれません。百貨店展開バージョンのMIYAGI KOGYOの靴をとあるリペアショップに持って行った際の余談として、ここのワックスは落ちないのでトゥに何かする際はその上から、と言っていたので、相当「かたい」ワックスなのでしょう。私は普段の手入れではその上からクリームをのせてしまうのですが、自然な光が好り方が好きな人にとっては、気になるポイントでしょう。

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スエードのやわらかい表現へのムーブメントもひと段落し定番となりつつある今、表革もやっぱりいいよね!という兆しが見え隠れしますが、それとは関係なくスーツやコートが着こなせる時期になると、夏とは打って変わって靴へのメンテナンスもなんだか励みたくなります。

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Swing, swing, swing:ミヤギコウギョウ「カキツバタ」(スエードダブルモンク)

かしこまった表革のキャップトゥや、プレーントゥなどシンプルな靴が年季が入りつつも磨かれ手入れされいるととてもステキです。しかし一方で、脱ぎ履きしやすいスリッポンや、スエードなどもとてもステキなもの(笑)

 

カジュアル化が世の中の流れのせいかブラウンの表革の靴はすでに、カジュアルというよりはビジネススタイルのなかに位置しており、ブーツやスリッポンでない限り、オフの日に履くというのもやや「重たい」印象を受けます。スエードの靴は、チェルシーブーツやチャッカブーツではすでに持っているものの、短靴で欲しい……それも同じように着脱がラクなものをと考え購入したのが、WFG別注の、ミヤギコウギョウのダブルモンク。

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ダークブラウンとブラックとありますが、今回は汎用性が高そう?なダークブラウンに。スエードタンナーとして有名な英国のものを使っているそうで、表革が日本産で、ラストは良いが革の質が……と批判されることを考えると、そういう懸念もなさそうです。(個人的には表革の革質は充分だと思います……もちろん最上級のものということはないですが、磨いても効果なし、ヘタレやすいといったものも世の中にはあるなか、ちゃんと磨けば返してくれると感じています)

すでに同じモデルの表革ブラックを持っているため、履き心地がわかり、安心というのもの決め手になりました。

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ソールはこのブランドお馴染みのやや踏まずが盛り上がったヒドゥンチャネル。きれいな反面、履いてる最中の滑りや削られが心配なので、トゥにスチールをつけました。

 

このくらいのダーク具合のブラウンだと、スーツに合わせても違和感はなさそうです。その一方でジャケットスタイルのオフの日のコーデもはかどりそうで、期待です。

waiting for dove

靴は3年経ってようやく一人前になる、というようなことを語っていた本がありました。革靴はメンテして履き、メンテして履き、馴染み、風格を持つようになるのにはそれくらいかかる、という意味でしょう。

実際、タイトな革靴を馴染ませジャストフィットで履くのが好きな方であれば、キツくてどうにか履ける・履けないというものを手に入れて、時には痛いながら履きつつ馴染ませるというのが、靴を買った後のいつもの「通過儀礼」「試練」でしょう。

とあるブランドによっては、地獄とも言える日々を過ごして、なじませる体験までが有名になっているところまであります。

 

宮城興業のメーカーオリジナルブランドの靴は東京・原宿のワールドフットウェアギャラリー別注のミヤギコウギョウ(miyagi kogyo)と、大阪伊勢丹西武百貨店などで展開するMIYAGI KOGYOがあります。

(ちなみに、この書き分けはインソールのブランド刻印が、ミヤギコウギョウのほうが小さいフォントのため、こうしています。両方とも大文字なのですが…)

MIYAGI KOGYOのキャップトゥが購入から3年が経過した。手持ちのmiyagi kogyoのキャップトゥと比べてみてみます。

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画像の2足のうち、上のものがMIYAGI KOGYO、下がmiyagi kogyoになります。サイズは上が下よりもハーフサイズ小さめ。MIYAGI KOGYOが横幅がE相当、miyagi kogyoはD相当とスマートなこともあり、ハーフサイズの違いとなっているかと思います。

 

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トゥのアップを。同じく上がMIYAGI KOGYO、下がmiyagi kogyoです。全体シルエットと同じく、MIYAGI KOGYOのものは丸っこいエッグトゥで、miyagi kogyoのもののほうがスマートです。エドワードグリーンの202的なシルエットが上ならば、下は82や、ジョンロブ7000的…といえるでしょうか。

 

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こちらは上がmiyagi kogyo、下がMIYAGI KOGYOです。ステッチはどちらも同じ程度小刻みについていますが、miyagi kogyoのほうがやや細かい…でしょうか。革質はmiyagi kogyoのほうが上のように見えます。

 

履いた所感としては、miyagi kogyoのほうが細めのラストで、がっちりホールドに近い印象を受けます。ハーフサイズ差があっても、そう感じますので、かなりラストの特徴は違うと言えそうです。

また、これは私の足の形の影響でしょうが、MIYAGI KOGYOにはどうしてもキャップトゥ部分にしわが入ってしまいます。こうした点からmiyagi kogyoの方が私向きだと感じております。しかし、MIYAGI KOGYOのほうがあってこそ、使い分けがなりたっています。

用途を考えない購入は向こう見ずですが、しかし付き合っていくなかで見える用途もあるのではないでしょうか。

11月12日は洋服記念日。明治の時代に和装が礼装から外され、洋装が布告されたとのこと。洋装の原点であるキャップトゥを始めとした黒靴が活躍する季節です。

Colour Queen:グラデーションのある着こなし

メンズの色の基本は紺色(青系統)、灰色とそして白(無彩色系統)だと言われています。カジュアルシーンならば、さらに茶色や緑色といったアースカラーの系統も入ってくるでしょう。

 

もちろん、ブラウンやグリーンもオフの日で活躍する色ですが、グラデーションで違いを見せられるのが紺とグレー。

紺やグレーのジャケットやパンツがオンのシーンで使える色ならば、同じ色系統ですが、より明るい色であるブルーや白の、ジャケット・パンツがカジュアルな色と言えるでしょう。また、同時に暖かい季節の色と言えますね。 春夏のスーツが秋冬物に比べ明るい色合いのものが多いのは、色の季節柄を反映した証と言えるかもしれません。

 

個人的におすすめなのが同一系統でのまとめあげた装い。てんでばらばらに買ったものでも、色の明るさが違っても同一系統でまとめ上げるとなんだか落ち着いた感じになります。

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いつぞやとの同じチェックシャツを引っ張り出してきました(笑)

寒くなってきた時期ですので、この白地にブルーのチェックシャツに、ネイビージャケッを羽織りつつ、ニットカーディガンも羽織ってみました。上のものは、ネイビージャケットに色合いが似たカーディガンゆえに、スリーピース的な雰囲気もあります。一方下は明るいカーディガンなので、「差し色」として出ている面積は狭いですが、鮮やかな印象に仕上がっています。

これが、パンツであっても同じことが言えます。ジャケットと同色に近ければ、スーツ的なシックな装いに、それよりも、明るければよりカジュアルな装いになります。もちろんジャケットを変えるてみる場合、シャツを変えてみる場合にも同じことが言えます。デートにいいとよく言われるネイビージャケットにジーンズの組み合わせも同系色の着こなしですね。

オン・オフのさじ加減はTPOによって変わってくるでしょうが、どちらにも通用するのが、同系統のグレデーションの着こなし。なんだかとっ散らかってる気がする場合は色味を抑えてみるのがよいかもしれません。

個人的には青系統が好きなのですが、これが黒~白のグレー系統でも変わらないでしょう。また、このグレー系統、彩色的には無彩色で明度しかないため、ほかの色と組み合わせてもとっ散らかることはないと聞きます。上の画像のような上半身の装いにグレースラックスやホワイトパンツを合わせても、すんなりまとまりそうなのは、そのおかげなのでしょう。

明るい色や初めてのアウターに挑戦するときは手持ちの色を思い浮かべたうえで手にすると使いこなし度合が大幅アップしそうです。