時には昔の話を:ジョンストンアンドマーフィー
本格靴、と呼ばれるような造りの靴、はじめて買った物をどれほどの人が持っているんでしょうか。この沼?に分け入ってからの時間はもちろん、当時のものが斉須が合わなくなってしまい、手放してしまったケースも多いと思います。その一方で、メンテナンスが必要なことを続けることが必要なことですし、それゆえ長く使って思い入れがあるものもあるでしょうから、まだ現役で使っていたり、壊れる前に第一線から退かせて保管だけしていると言う人もいるようです。
かくいうわたしも、「最初の一足」は現役で用いています。途中紆余曲折あってお別れしたものもいる一方で、アタリ個体だったのか、運が良かったのか、雨用にも関わらず8年履いてる靴です。
日本を代表する靴ブランドの1つ、リーガルの高級モデルはシェットランドフォックスといまはいいますが、一時期はアメリカ靴ブランド「Johnston & Murphy ジョンストンアンドマーフィー」の名前を借りて展開していました(ライセンス展開)。ゼロ年代の終わり、このジョンストンアンドマーフィーが終わると同時にセールをしており、その当時の自分として高額(と言っても、定価30%offとか、モノによっては50%offだった記憶)なもの買い物だったのですが、手入れをすれば輝く本格靴に驚いたのを覚えています。
手始めとしてならキャップトゥなどを買うのが良かったかもしれませんが、この装飾性を見て購入をしてみようと思いました。実際、ジョンストンアンドマーフィーは、アメリカブランドで、フルブローグが代表的な靴の一つだと聞きます。もっとも、日本製なのですが…
しかし、アメリカブランドを買ってリーガルという名前のブランドが日本に誕生したと聞きますし、リーガルのフルブローグがトラッドファッション最盛期の本格靴登竜門だったと聞きますから、リーガルと言うブランドを考えても、フルブローグは思い出深いモデルなのかもしれません。もともとはレザーソールでしたが、フルブローグ=雨用の穴という期限の話を聞いて、ダイナイトソールに替えました。以来、オールソールは経験していませんが、雨用と言うこともあってか、雨にあたると塩現象を発するようになってしまい、現在は雨になりそうな日に使うくらいで、雨の日には使っていません。
8年経過しているというところで雨への耐性は仕方ない面があるかと思いますので、近い将来、レザーソールに戻すことを考えています。
8年という年数による風格は、他のものでは代えがたいものです。これを10、15…としていきたいものです。
※なお、ジョンストンアンドマーフィーはいまは大塚製靴が携わっているようです。アメリカブランドへの立ち位置としては、フローシャイムのように「黄金時代のブランド」のような扱いで認識されているようで、デッドストックに注目、愛用している人も多いようです。アメリカブランド時代、リーガル時代、大塚製靴時代と同じブランドと言えどもいろいろな立ち位置を変遷しているのは面白くもあり、ややしくもありといった感じでしょうか。
Brave New Year;あるいはセール
あけましておめでとうございます。
迎春、新春とともに訪れるのが百貨店やセレクトショップのセール。
いつもは高嶺の花のブランドが安くなっていたりしますが、自分のサイズが売り切れだったり、欲しいものとはちょっと違うものに出くわしたりして、余計に物欲が駆り立てられます笑
こういったフォーマルな場に適した一文字が欲しい……となってもなかなかセールにかかることは稀です。(通常時に入手しました笑)
需要の高いブラックのキャップトゥではなく、ブラウンだったりするとセールでお目にかかる頻度は高くなりそうです。
E.G.やG.G.、C&Jなど多くのブランドがセールにかかっているのを見ますが、コンビネーションのものやローファー、フルブローグ、スエードのもののように定番品ではないものが多いように見えます。
また、サイズは小さいもの、大きいものが多く出回っているように見え、逆に日常的にサイズに困っている人にとってはお手頃な価格で手に入るチャンスといえそうです。
靴は5年以上持つブランドも多く、エドワードグリーンなどなら10年以上は持つといいます。もともと価格が高く高嶺の花といったブランドですが、ちょうどほしいスタイル・サイズのものがあれば、無理をしてでもというのは考えるところですが、購入したくなってしまいます。
スーツやジャケットもやはりシンプルな柄物は少なく、マイサイズのものが手に入ることは少ないように思えます。こちらもオンよりオフで使えるものを探したほうがよさそうです。ツープライス店ですとシンプル性の高いものも数多く残っていることがあり、ジャケットよりもネクタイやシャツ、靴に資金を割くことがおおい身としてはよく利用しています。
シャツやネクタイは、高級ブランドであればやはり、定番品的なものは対象外なことが多いですが、国産ブランドものだと比較的おてごろに白シャツや青地ドットのタイなどを買うことができます。
画像はブリューワーのタイ。ブリューワーは鮮やかな発色が好きで、この黄色のストライプが入ったタイを購入。普段の格好では無地やドット以外のタイを持ち合わせておらず、新たな挑戦として買ってみました。ニットを挟むことで、慣れない色の面積を抑えて普段のスタイルになじませようとしています(笑)
今の手持ちの何と合うか?という意識がないとセールとはいえ、失敗した買い物をしてしまいます。その一方でまたの機会、としていた新機軸への挑戦を可能にしてくれるのも、セールの魅力です。
今年の初買いはメローラの手袋。指が長くない私にもピッタリする手袋だったので思わず購入。手袋は、都会で通勤移動するぶんには必要不可欠ではないですが、あるとやはり暖かいので購入しました。
Brave New World、素晴らしい年にしたいと思います。
行く都市来る歳
He's making list, and checking it twice
服装の、タイやシャツ、靴などのアイテムはどれを所有しているか、わからなくなることがあります。管理しきりれないほど持っている、管理キャパを超えていると言われればそうなのかもしれませんが、たまたま通りがかったショップやセールで衝動買いしそうになったときの果たして似たようなものは持っているのか?これとコーディネートするものはあるのか?といった振り返りや、クローゼットを見渡してもよくわからない自分の買い物の可視化、この靴はいつ買っていつ修理に出したのか?などなどを知りたいときに、おぼろげな記憶やクローゼットの奥を引っ張りだすのではなく、すぐに参照できる記録があれば……と思い、そういったものを作成・管理することに。
使っているのはクラウドノート。平たく言ってevernoteやone noteなどのたぐいになります。1アイテム1ページで作成した方が個人的には可視化しやすいかな、と思いますが、簡単にまとめるなら、スーツの手持ちアイテムを列挙していくだけでも、思い出しやすくなりそうです。
自己流としては、1アイテム購入後、新規に、「いつ」「なにを」「いくらで」買ったかを書くとともに写真を添付することで購入当初との比較ができるようにしてます。特に靴はメンテナンスで変化しますから、必ず写真を撮り、保存するようにしてます。購入の値段とタイミングについては見返すさいに、値上がりや経った時期を振り返るたまにつけていますが、「なにを」の部分はメーカーやスタイル(ジャケットのボタン数、ネクタイの柄、靴のタイプと色々など)を記録しておくことで、気づかぬ好みの偏りなどがわかるようにしてます。
たとえば、ブーツは何足あるのか?ドット柄のネクタイは何本あるのか?青系なのは覚えているがどんな色味だったか?などなどがすぐにわかることで無駄遣い防止と、新ジャンルへ興味を起こすきっかけにしております。また、オールソールや再度の裾上げなど過去なにしたかがわかるようにそういった修理履歴を残しておくようにすることで、使いすぎなのか、変に疲れやすいアイテムなのか、を見極めるようにしています。
こう言ったサービスの特徴として、タグがつけられるので、タグでもそもそもジャケットは何着あるのか?そのうちダブルは?シングルは?グレー?ブルー?とわかるようにタグを設定しています。タグは、メーカーやシャツ/靴といった設定にしてます。自分の服のアイテムを全て頭の中で把握できていれば良いのですが、ふと思い出そうとしたときに思い出せないもの。
サンタクロースのリストづくり("Santa Clause is coming to town")ではないですが、新たなアイテム購入や、着こなしを見つめるさいにこうしたリストが役に立つものです。
Another one: buy it dusty;色違い
装いのアイテムを増やして行く際によくやるのが色違いのものを買っていくこと。以前、ここで紹介したチェスターコートのようにシルエットは同じものを色違いで買うと、使い方の違いは純粋に色の違いとなり、新しい色を取り入れやすいのではないでしょうか。
チェスターコートの場合、ブランドなどは手持ちのチェスターコートと違うシルエットが同じの色違いでしたが、もっと厳密?に、メーカーが同じでの色違いのものを買うことも、気づくといろいろなところでやってました。
スーツの場合、3つボタン段返しのスタイルが好きなのですが、柄や色はもちろん、返しの具合やウェストの絞り込み具合、パンツの細さ・太さなどを好みで絞り込んでいくとなかなかクリアするものが減っていってしまいます。気に入ったスーツの色違いがあれば、購入してしまいます。特にツープライスブランドの店ではその年によっては出てくる柄やシルエットが気に入らないものしかない、というときもあります。買って後悔よりも買わぬ後悔とコレクターの格言にありますが、「出会ったタイミングで買う」のは大事かな、と思います。(衝動買いと区別つけるのが難しいところですが……)
画像のスーツは基本のスーツとして探してた、無地のチャコールグレーとネイビーのスーツ。Suit Company系列はよく利用するのですが、完全な無地のスーツはなかなか見つからず、ちょうど見つけたブランドので展開していた違う2色の同じスーツを購入。
ジャケットの内側のポケットは意外と位置がそれぞれ異なりますが、こういった色違いのものであれば、そのあたりの使い勝手も変わらないのも良い点です。
ネクタイも、シルエットは大きく変わらないため、すべて色違いのようなものなのですが、青地にドットの
ものはいくつもあっても困らない……と同時に買ったのがこの2本のFairfaxのタイ。ブルーの明度が違うため、気分やその日の予定の内容に合わせて使い分けています。
シャツも同じくFairfaxのタイトシルエットのものを白とサックスで。シャツはカラーの幅だけでなく、見頃のゆとりの具合もシャツによって異なるもの。そこがフィットしているものだと安心します。
靴はミヤギコウギョウはラストが2種類しかないので、色違いのようなとのですが、最近だとスエードのダブルモンクを購入。ブラックのダブルモンクはすでに愛用して履き心地はわかってましたが、よりリラックスしたシーンが多いときならばオンオフ限らず使えるのが良いところです。
さまざまなブランドを試して使い勝手を知るのも良いですが、もうすでに使い心地がわかっているブランドからの選択はチャレンジミスということはないです。すべての物を試すのは不可能な以上、同じブランドをさらに使い込んでいくのも良いのかもしれません。
Ration GA GA:冬のオフィススタイル
短い通勤時間であってもコートに手が伸びる時期。案外オフィスが暖かいと、服装が難しくなってきます。外部の方へ出向いての打ち合わせもなく、1日暖かいオフィスにいるのなら、コートやジャケットの下はラフでも良い気もする一方で、年末年始の会食も多い時期だと、初めましてやそれに近い人に会うことも多いです。また、昼は暖かい日もあるけれど、飲み会終わりはもう寒くて……という日もあったり。
そんな時期、暖かく、ラフすぎる格好はできないのけれど、オフィスにいるし、動きやすい格好でいたいという問題に直面します。
手っ取り早く、暖かいな、と思えるのはネクタイをすること。首元を開けていないせいか、同じ気温でも感じる寒さが違います。それでいてきっちりしたイメージを周りに与えられますし、夏に寝ていた?タイの活躍の場です。
また、ジャケットを脱いだ方が、ワークに取り掛かりやすいものの、夏と同じようなシャツ姿もなんだかだし、そこまで暖かくないということも。そこでベストや、カーディガンなんかが活躍します。カーディガンは無地のハイゲージだと薄手で使いやすいですかね。厚いとカジュアルになってしまうので。
タイとジャケットの間にベストなどを挟むと外での暖かさも3〜4℃は違うのではないでしょうか。さらにマフラーを巻けば10℃をすこし下回るくらいであれば大丈夫です。
スリーピースのスーツをフルで使うことはなかなかシチュエーションがないと難しいかもしれませんが、ベストとジャケットを使いつつ、パンツだけは、グレースラックスなどにするとスリーピースのドレスダウン版としてクローゼットに眠らせることなく着回せるのではないでしょうか。
同じようにジャケットと同系色のカーディガンを挟むことでベスト風にまとまりよく装うことができますし、パンツとカーディガンの色を揃えてもまとまりよくなります。
ジャケットはラウンジコートと呼ばれるものが原型、と聞いたことがありますがやはり、室内で着たままだと動きづらい、リラックスしてとりかかりにくいということがあると思います。そういう時、さっと脱ぎつつも室内でも外でも暖かさとスマートに見えることを心がけたいものです。
暦の上でもディセンバー
10月に入るくらいの頃は、夏の延長線上、という気もしますが、11月になると秋やら冬やらといった空気になってきます。毎年がそうなのかは思い出せませんが、庭で金魚やメダカなど、水の生き物を飼育している人のブログによると、11月中のある日に冬眠して魚たちがいなくなるそうですし、コートの準備をするのも、ちょうどこのあたり。秋のイメージが強い紅葉は12月まで見れますが、装いとしての冬が始まるのは11月のどこか、なのでしょうか。
コートもステンカラーが多くみられる春/秋用のものもあれば、チェスターコートなど冬用の厚手のものもありますが、自身のクローゼットには冬用のものしかありません。単純にスペースの問題と、ジャケットやシャツなどの調節で乗り切ることが多いからでしょうか。SSものを厚く着る/AWものを軽快に着るのどちらかで冬以外の季節は乗り切れると感じております。(単に「めぐり合わせ」といいますか、買うタイミングがなかっただけ、なのですが)
で、手元にあるのは、いずれもネイビーのチェスター、ポロ、ピーコートと、グレーのダウン。ドレスコートとしては、ネイビーがもっとも使いやすいと考え、フォーマルはもちろん、ジャケットなしの装いでも活躍するチェスターや、ビジネスでスーツやじゃけぱんを選ばないポロ。丈がながいためフツーのピーコートと違ってジャケットの上から羽織れるためビジネスでも違和感ないピーコートとあり、機能性では雪が降っても寒くなりにくいダウンと合わせて特に不足を感じないクローゼットのコートコーナーでしたが、色合いがすべてネイビーなことを考え、他の色のコートを思案していました。グレーのチェスターも昔は合ったのですが、どうもしっくりこなく、今に至ります。ハンドトゥース柄も考えたのですが、程よいのがなく、いきついたのがベージュのチェスターコート
現にチェスターコートを持っており、シルエットとしてはなじみがあること、そして、どうやらコートの基本の色はネイビーとベージュであることを知り、こちらに。個人的にはグレーはどうしてもオンのイメージが強いのですが、ベージュはむしろオフの色で休日も使いこなせそうです。コートの世界では、ジャケットやパンツのネイビー/グレーが基本と違い、 ネイビー/ベージュが基本と言うことを最近知ったのですが(それが正当性があるかはともかく)、ステンカラーコートはベージュがネイビーはじめの多色よりも見かけることを考えるとそう不思議はないのかもしれません。
オフの日のチェスターの装いだと今日のトレンドがジャケットなしの着こなし。これはもともとどこから来たのでしょうか。ダッフルコートやピーコートはジャケットなしで着るイメージが強いですが、そういった着こなしが格上のコートであったチェスターにも来たのでしょうか。あるいはジャケット+Tシャツのような着こなしが、ジャケットにシルエットが近いチェスターに応用されたのでしょうか。それとも、トレンチコート+ブラウスのような女性ファッションに感化された着こなしなのでしょうか。これまでなかった波として気になるところです。
ちなみにコートにも格式はあり、チェスター>ポロ>ステンカラー=トレンチ>ピーコート=ダッフルなイメージです。国際的な冠婚葬祭の式典でのチェスター一色の風景や、とあるファッショニスタのタキシードの上にダッフルが伝説化するのも、こうした格式の影響によるものなのでしょう。
本来的なTPOと、新しい装いどちらも楽しめる冬にしたいものです。