Shake it off:黒のローファー

エドワード・グリーンの靴は踏まずの部分が独特であるといいます。

それを購入から今に至るまで感じさせてくれるのがローファーのピカデリー Piccadilly。

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この靴を履くといつも踏まずが「押される」かのような感触がします。中に入っている芯が強いのでしょうか。よくグリーンの靴で言われる履き心地が、わかる靴です。


デザインは、本当にシンプルなローファーといったおもむき。爪先やモカ部分がドーバーのようにすごいステッチで造られているわけでもなく、サドルの部分もフツーのコインローファー。

バッキンガムのようにステッチの凄さとかがないから人気はイマイチ?セールにかかっていたので、入手したのですが、色は黒。ローファーというカジュアルなものはブラウンが主流なので、あまり使い道がパッと出ないモノになります。

定番的にはアイビールック的なところや、ブラウンローファー向けな格好にドレス的な要素があると「らしく」なるでしょうか。

定番やルールがあるならそれを破る「ハズし」という道もあります。目の前の装い、これはハズしなのかわかっていないのかという判断をされるわけで難しいトコロなのですが………

ハズしの定番は当たり前ですが、ミスマッチさです。しかし、それでも自然に見える余地が欲しいわけでして、そういうのはファッションの歴史でさまざまなファッショニスタが実践してきました。

ジェームズ・ボンドは架空の人物ですが、かなりのスーツ嫌いとして原作の小説では登場します。

"well-polished moccasin shoes"、"black casual shoes(he abhorred shoe laces)"と記述されているようで、ゼロと言って良いくらい紐靴は履かなかったのではないでしょうか。

映画版でこそ、紐靴は履きますが、チャッカブーツをスーツに合わせたりとカジュアルな要素での着用も見受けられます。ローファーとトラッドなDark blue suitなどの組み合わせはたしかにハズしと受け取られそうな雰囲気がありそうです。

個人的にはチェックスーツなど、カジュアルに近いスーツもアリなのではないかな?と思いますが、いかがでしょうか。

ジャケパンでも、よりカジュアルな装いでも黒靴というのはあんばいが難しい分、それを自然にできるのはとてもオシャレなのだと感じます。

ふさわしいかふさわしくないか、とは別軸のアリかナシか。多くの人は見てないし、気にしてないという意見はわかりますが、わかる人に頷いてもらいたいという意欲もあったりするからこそ、装うわけで、自分のスタイルをつくって、世評をShake it offと一蹴するまでは楽しみながらの鍛錬がまだまだ必要そうです笑