Jumpin’ At The Roadside

尻手黒川線、という名前を聞いてパッとイメージが浮かぶのは川崎市民か、神奈川東部の道路事情に詳しいかたでしょうか。

川崎市内の南:尻手〜北:黒川を結ぶ文字通りの道路で、神奈川県内の鉄道に詳しい方なら、南武線の道路版とか、川崎市営地下鉄のイメージといえば、伝わるでしょうか。
川崎市内を南北に貫く幹線道路ですので、沿道には駐車場を広く構えた飲食店やスーパー、自動車ディーラーなどが並び、いわゆるロードサイド的な光景が繰り広げられています。
 
この尻手黒川線沿いの終わりのほうに、新しくラーメン屋さんができました。
名前は「日陰」。看板には「ラーメン」と至ってシンプルな文言しかない店構えですが、開店前から行列のラーメン屋さんなのです。
その理由は、もちろんラーメンがおいしいから。
 

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スープはここ最近流行りの淡麗系で、たんにあっさりではない、コクも感じられる滋味深い味わい。出汁には詳しくないですが複数の魚介を使っていそうです。
麺もトレンド?の太麺ですが、ここは極太!まるでうどんのようで、柔らか食感ですが、コシはちゃんとあり、ラーメンだ!という唯一無二の麺です。
 

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ファッションのように、グルメにもトレンドがあり、ラーメンにもあると思います。じつは店主はある人気ラーメン店の創業者らしく、そういった意味ではトレンドセッターよりもトレンドメイカーの作る一杯です。ファッションなら「ファッショニスタが選ぶ今欲しいアイテム」を自分で作ってしまったようなラーメンなのかもしれません。
注文を受けるとお一人で麺をこね、エビワンタンをつくり、スープをつくり……と店主がお一人でやっているので、こだわりが詰まっていそうです。
 
そうした時代とのマッチングもあってか、基本的には1時間は並ぶお店です。土日ですと、開店とほぼ同時に完売、なんてこともあるくらいです。最寄駅からも徒歩15分はありますので、都心にある行列店のように、何かのついでで行くことの難しい、「コスパの悪い」ラーメンなのは否めません。
しかし、そうまでして食べる価値のあるラーメンと言える一杯でした。
2021年開店のお店ながら、すでに超人気店なのは少なくない人が価値を感じているからなのでしょう。
 
コロナ禍の今のスタイルが終わるのか、それがいつなのかは誰にもわかりませんし、もし終わるとして、完全に以前の日常のようなスタイルになるのか、現在とのハイブリットのような形になるのかもわかりませんが、アイテムの購入だと、様々なショップが乱立しECで海外からもできるこの時代、いつでもどこでも買えるような状況になってきたと言えます。そんな中では「ここだけのパターンモデル」「オリジナル」や「●●サンから買う」が購買選択肢のより重要なファクターになっていくように、「ここでしか体験できない」「ここでしか買えない」というのは、「遠くでも、ならんでも体験したい」と思わせることは、今後のコト消費ではより重要になってくると思います。
 
 
ちなみに、川崎駅や日吉駅から出ているバスだと、店前のバス停で降りれますので、便利かもしれません。