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限りなく欲しいものは多いが、もちろん制限はあります。金銭的な制限と、置けるスペースの物理的な制限によって、手持ちのカードは決まっていきます。シンプルな無地が個人的に好きなのも、汎用性の高さが理由の一つでしょう。

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そうした制約下では(つまり非常に多くの場合、なのですが)工夫が必要になりますし、だからこそ、着まわしコーデが多くの雑誌に取り上げられる定番特集になるのでしょう。

 

メンズトラッドファッションに欠かせないブレザーですが、近年はアンコン素材で青みがかかったブレザーがトレンドのように思えます。アンコンのかたが張っていなく、オフの日はTシャツと着回すことができるため、これも着まわしコーデ需要の一つかもしません。青みが強い方がカジュアル感もありますので、どらくらい青が許容されるのか?というの職場と個人の嗜好ですが、黒のようなネイビーよりはロイヤルブルーや青の方が使い勝手はよいでしょう。ジーンズもワンウォッシュのよりも色の薄いものがトレンドのようですし、相性は良いはずです。

 

ジャケットにはシングルとダブルがあり、圧倒的にシングルのほうが人気ですが、ダブルのほうも往年のゆったりスタイルとは打って変わって最近はスリムスタイルで着ている人も多いようです。女性服もガウチョパンツのようなゆったりスタイルが流行ったりメイクも70〜80年代のような濃いめが来ているようですが、メンズファッションも同じように70〜80年代の復権・アップデートがなされているようです。

そんななか、ダブルジャケットもシングルと同じく短丈スリムで着やすいのですが、やはりスタイルが新鮮なため、より浸透していくのではないと思います。

シャツジャケットスタイルでは個人的にはネクタイがないとしっくり着ませんが、カジュアルなダブルジャケットであればニットタイくらいがちょうどよく、ドレープのしっかりしたタイよりもカジュアル感がありつつも、タイとダブルブレステッドによってドレッシーさも醸し出せると思います。

また、Tシャツと合わせるコーデもシングルと同じように合わせることができます。しかもダブルブレステッドの安定感でシングルの時よりもドレッシーな装いとなる……ようなら気がします。しかし、素材や色、表情がカジュアルなために昔のダブルを合わせたような、スーツの上を休日も着てる印象にはならない。むしろVゾーンが狭いのでシャツやタイの多少の冒険もカバーできそうです。

また、女性に流行っている肩掛けカーディガンをジャケットでやる男性も少なくないと思いますが、ダブルだとより安定感がある肩掛けに。

肩掛けは女性がカーディガンがやっていますが、メンズに「輸入」されたコート+シャツのジャケットなしコーデと同じく輸入される・されつつあるスタイルになる気がします。漫画『ワンピース』の海軍は(作者の任侠映画趣味を受けているのか)肩掛けコートをしていますがあれの延長で考えればそこまで違和感なくできるはずだからです。残暑残る初秋、朝晩は袖を通して、昼は脇に抱えるのではなく、肩掛けというのも良いですね。

 

この肩掛けダブル、どこかで見たことあるな〜と思うのですが、実は映画寅さんシリーズの寅さんがやっているのがまさにそれ。彼は日本を旅していくわけですがその姿がこのスタイルなんですね。流行は繰り替えすと言いますが、50年くらい前のファッションとして流行っているいま違和感ないリスペクト?スタイルと言えそうです。

 

ダブルブレステッド誕生の理由はいろいろあったと記憶していますが、船乗りが風除けのために風の方向に合わせて右左どちらも両方止められるためにダブルのボタン配列になったという話や、軍隊制服から発展した説などありますが、歴史性でいうとダブルブレステッドのほうがシングルよりカジュアルな立ち位置にいます。しかしボタンの多さや、身頃面積の広さからか、威厳を醸し出すものでもあるらしく、エグゼクティブや保守的な人が着るイメージも付いている不思議な服です。

世界でダブルブレステッドのファッショニスタとして有名な人はいつもダブルブレステッドと言う人も多く、それだけ魅力がある服なのは確かなのでしょう。

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タッセルローファーのようなカジュアルさとドレッシーさが両立できる懐の深さのある服を着こなしていきたいものです。