評装のテイコク:初詣

年が明けて最初にする初詣。初詣には寺社へ参拝しますが、年が変わってすぐの真夜中から日の出前は寒いし、家族揃っての休日としてカジュアルに参拝される方がほとんどでしょう。

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一方、内閣総理大臣伊勢神宮参拝はモーニング着用で行われることが定例となっています。これはまあ、宮司さんなどから国の繁栄・豊穣を願って祈祷・お祓いを受けるわけですからこうした格が求められているということなのでしょう。ですので、一般的にはそこまで格は要らないと思います。

ウチは、一家で地元の神社で祈祷を受けているので、社殿に昇りますし、こうしたトラッドな服についてあれこれ考えている身としては、オフだけれどこうした場に相応しいスタイルというものを考えてしまいます。

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今年は、薄いブルーのシャツにダークネイビーのソリッドタイを。その上にダークネイビーのソリッドスーツの三揃いのうち、ジャケットとウェストコートを着用。下は白のコットンパンツと黒のサイドゴアブーツで、チェスターコートを羽織り、参りました。

三揃いではちょっと堅苦しいかなと思い、ボトムスはカジュアルなものに。しかし、他のソリッドで濃紺ものでどうにか格を高めたカジュアルなファッションを目指しました。また今回は手持ちだけれど日常では使いにくいアイテムを活用しました。ウェストコートは日常のオフィスシーンとしてはやや気合が入りすぎていたり、エラそうに映ることも。また、ソリッドタイは格式としては最上でシンプルなファッションが好きな人間としては活用したいアイテムですが、濃紺だと喪服的な黒に捉えられたりしてしまうアイテムです。

濃紺と黒の違いは慣れればすぐわかることですし、勘違いを「ファッションセンスがない」と一蹴するのも簡単ですが、どう人に見られるか?が大事なビジネスシーン、あまり登場しづらいアイテムというのが出てきてしまいます。そうした「日常では使いづらい」アイテムを気ままに使えるのも休日ならでは。大切に保管することも大事ですが、服はやはり着用して生きるものですので、こうした機会に着てみようと試みました。

靴は以前紹介した宮城興業 miyagikogyoのクロユリ。神社の昇殿の際など、脱ぎ履ぎが必要なシーンで活躍するサイドゴアブーツを選びました。

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3ヶ月くらい経過しましたが、キツからず緩からずで、なかなかよくできた靴です。

今年は暖冬で、コートも要らないような日々が続きましたが、大晦日・元日と寒さ厳しい日が続きました。こうした時、どのコートを着ようかという楽しみにもありますが、「カジュアルディレクターズスーツ」とでもいうべき、この装いに合うのは格式高いチェスターコートかな、とピックアップ。こちらも暖冬で袖を通す機会がなかったために今冬初の出番です。

「春夏と秋冬で10着用あれば良い」という持ち物のシンプル思考が2015年は流行りました。そんなに数を減らすことができなくても、身に付けない服が眠っているのも考えもの。新しいものの出会いとともにいまあるものをどう活用するかを考え実践する年にしていきたいです。

本年もどうぞよしなに。