四度戦記:クローゼットのミニマリズム②

世の中あんがい常識と思っていたことが、自分くらいしか知らなかったり、自分だけが知らないなんてことはよくあったりします。哲学や、思想史的に言うのであれば「大きな物語」の崩壊で、みんながみるテレビ番組や触れているはずのトレンドが消滅してきたからでしょうか。まあ、スーツスタイルのプリンシプルを知らない日本人が…という話は前からありましたし、無理に話題を追わねばならない状況よりも、おのおのが好きなことを追求していくほうが健全な気がしますが。

そんななか、最近気付きいたサイレントマジョリティーは、少なくとも東京でスーツやジャケットの衣替えをする人というのは稀なのかもしれない、ということです。

個人的な経験では、気温10度前後では秋冬物のジャケットとマフラーがあれば、暖かいのですが、ほかの方々がコートを着込んでいるのを見て、ん?となった次第。

実際、12月に入り春夏もののスーツやジャケットにAWコートを着込んでみると10度前後では暖かいです。

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ここにクローゼットのミニマリズムは完成する!

…と思いましたが、今年は暖冬、11月でも秋が深まらないような気温でしたが、年の瀬になって寒波がやってきて実感したのです。ヒトケタ気温も四捨五入するくらいになるとさすがに寒い!と。

ダークネイビーの背抜きのスーツにチェスターコートで仕事納めの日、丸の内を闊歩していると、何やら寒い!

気温をふと見てみると4度だということ。5度を下回るとこの装備では不十分なのでしょう。氷点下ヒトケタの冬の札幌では、冬物のジャケット+コートでも寒かったですが、そこから考えてみますと、この組み合わせの最適な温度は、ヒトケタ台の気温のときなのでしょう。

 

最も、鉄道移動の東京では通勤で一番寒いのは朝の家を出て駅までの道のりか、駅から

オフィスまでで、混雑している電車内は厚いくらいですし、地下駅であれば改札内も暖かいので、そこまで防寒を気にする必要はないのかもしれません。どれくらい外を闊歩するかによって、クローゼット内フユモノの領域は変化しそうです。

もちろん、たとえば、ツイードは寒い時こそのアイテムですし、季節感のある衣服を楽しむ人が無理にクローゼットの整理をする必要はないのですが、個々人のファッションへの金銭とスペースに与えられる余裕は限りがある中で、試みの一つとしてはアリかもしれないと思っています。冬のコートアウターにこだわらない人はダウンジャケットでSSアイテムで過ごすことは、少なくとも東京ではできそうです。(個人的には、ドレススタイルにはチェスターのようなコートを着たいと思っていますが)

お気に入りのジャケットをせっかくなら通年着たいというところからクローゼット内のシンプル化を考えてみましたが、半そでTシャツを1年間着るのは無理なように、組み合わせやタイミングを考えていく必要があると思い、まだまだ試行が必要なようです。

Simple Staple

通年の装いとは何か?シンプルなクローゼットはどうやって作るべきか。

シンプルな装いにあこがれています。スタイルが決まっているということは、自分が似合うもの似合わないものがわかり、クローゼットの中身も軽いということだろうと思ったからです。

クローゼットの中身を軽くするのであれば、重衣料を削減することは大いに検討の余地ありでしょう。おそらくですが、ミニマリストはコートは持っていても、SSとAWのジャケットの数は減らしているか、AWがなかったりする…のではないでしょうか。

衣替えをする人は季節に合わせた装いを意識しているでしょうし、実際夏用ジャケットをいまの夜がだんだん早く降りてくる季節に着るのは難しいものがあります。

しかし、ノームドコア的な、自分のスタイルをジャケット+Tシャツの組み合わせで通している人は、盛夏なら屋外はジャケットを手にもって、冷房の効いた室内では羽織って…というスタイルでしょうし、冬場ならコートをその上に着るのでしょうから、「グレーのジャケットと白Tシャツ」といった基本スタイルを作って貫き通すことはできるわけです。

もちろんドラマ『Sherlock』のシャーロックホームズのように、いつもコートとマフラー姿でいる、というのは難しいわけですが、基本をスーツスタイルであればそれは可能です。…むろんあれは、ドラマが放映されるシーズンが冬であり、視聴シーズンに合わせたスタイルとなっているわけですが。

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日本の刑事ドラマ『相棒』も基本は放映タイミングのAWを意識していますが、映画は同じく放映シーズンに合わせてあったようですし、TV版も(時間が経った描写やシーズン初め・終わりで)セミが鳴いているシーンがあり、「杉下右京はどんな時もスーツにネクタイ」といった装いの通年性については同じことが言えそうです。

「個性はその人らしさであって装いではない」といえばその通りになりますが、ドラマや漫画のキャラクターのように、密接に結びついているものでもあります。

多種多様な服に袖を通したいが、金銭や空間・時間には限りがあり、それは無理。で、汎用性が高く、嗜好として気に入っている無地を中心としたクローゼットづくりならばスリムになろうかと思いました。チェックのジャケットでも無地でも、ある程度中庸なスタイル物のであればインナーをTシャツにしても襟付きのシャツにタイをしても違和感はないですが、行く場所が、格式の高いセレモニーパーティーのような場所であると、無地のほうがサマになりそうです。もちろんこういう場にTシャツでこれるような人が本当のスタイルなのかもしれませんが…。

 

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シャツにしても、ジャケットにしても無地のほうがそういった意味で、使い勝手が良いので、無地が好き。黒に見えるようなネイビーとグレーらしいグレーをそれぞれそろえるとジャケパン的な組み合わせもいけるのではないでしょうか。スーツとしてジャケット・パンツそろえるよりも、ジャケット単体、パンツ単体で使えるセットアップスーツでのそろえ方のほうが単体ごとに使いやすいと思います。スーツジャケットを着るとなぜか「あ、スーツジャケットを着ているな」と気づかれがち…丈とかが違うんでしょうね。個人的には、ジャケット単品を買って、近い色合いのパンツを探して組み合わせるのも好きです。

また、スーツについて冠婚葬祭用の礼式用のスーツを持っている場合にしても本来的であれば背抜き(SS)、総裏(AW)両方あってしかるべき、いやある人も一定数いるのかもしれませんが、着用頻度を考えると、式典の開催時期が選べない以上、背抜き物が一着あればいいでしょう。冬はその上にコートを羽織れば、寒冷地でもない限りは対応できそうです。

コートは防寒性を考えれば、ダウンジャケットがいいのでしょうが、こういうところでgdgd悩む私としてはチェスターコートやアルスターコート・ポロコートといったドレス系コートを選びがちです…これも無地のほうがやはり着回しできると思いますし、無地の中でもネイビーやブラウン・ベージュのほうが活躍の機会が多そうです。グレーは基本的なカラーなのですが、コートなるとネイビー系統か、ブラウン・ベージュ系統が圧倒的で2着目、3着目としてグレーが選ばれている傾向が高いような…グレーで統一するスタイルでない限りは、最初の一着は上記どちらかのカラーのほうが良いのではないでしょうか。

柔らかな雰囲気を出すならベージュ系統、スタイリッシュさを押し出していくならネイビー系統でしょうか。

 

靴に関しては冠婚葬祭でもっとも適しているといわれるキャップトゥが始めの一足、次にプレーントゥが、3足目で好きならブラウンといいますが、いろんなシーンで使いたいなら外羽根かローファーみたいなタイプの方がオフでも使いやすいと思います。

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ほしの箱舟

古典的に素材の味を活かすのは真逆な、クリエイションの斬新さが出ているお店が、東京だと清澄白河にあります。清澄白河という街は清洲寮のような古きものの再評価と、ブルーボトルコーヒーのような新しい風の交差路といった趣きで下町的な街並みの中に新しいものがあります。
 
そんな清澄白河を和食で表しているのが「ほ志の」なのかもしれません。
 
昔はお寿司屋さんであったという和食屋さん。どれもひねりを加えてあってここだけのクリエイションになっています。
 
一番わかりやすいのが、「肉じゃが」でしょうか。
 
画像を見ればわかる通り、「肉じゃが?」と突っ込みを入れたくなる串に刺された肉じゃがです。
 
しかし、「牛肉とジャガイモの醤油甘煮」が肉じゃがの定義であるならば、そこからは外れない「肉じゃが」というしかない一品であります。
 
このような再構成で見た目をガラッと変える手法はフレンチなどのガストロノミーっぽさも垣間見えます。
 
伝統的な出汁や素材の味を活かす調理法だけでなく、それにプラスアルファの西洋的な素材・調味料を用いた味付けや再構成をおこなうところが、新機軸といえそうです。
他にも「鯖と奈良漬けのサンドイッチ」はサバのしっとりあっさり具合と奈良漬けが良いマリアージュの一品である一方、「ニラ玉」は肉じゃがと同じような料理の再構成したものといえる、味付けそのものは上品でオーソドックスながら見た目が面白いです。
 
一方で、もう一つ注目の方向性としては、フォアグラの多用でしょうか。冷凍したフォアグラを削って振りかける「オムレツ」や、「鯵とフォアグラの炊き込みご飯」といった料理でのフォアグラといった和食にフォアグラをプラスしたものをよくメニューで見かけます。和風のものにフォアグラを入れる、これだけで創作度が増すかもしれませんが、冷凍や、フォアグラと一緒に鯵を炊き込みご飯素材にするなど工夫もしっかりしていると思います。もちろん、フォアグラをかけるオムレツは唯一無二のフカフカ具合ですし、炊き込みご飯は「だし」がしっかりしており、フォアグラがご飯とともに炊きあがったときいい存在を出しています。
ドリンクメニューは日本酒メインのように思えますが、意外にもワインもあったりします。
 
もともと現在のお店の主人のお父さんがやってらしたお寿司屋を現在のスタイルでの営業に変えたらしく、大きく白い暖簾のほかの、店内のつくりや食器などはお寿司屋さん時代のものをそのまま使っているということを感じます。
 
3人以上だとアラカルトで頼んでいいも思いますが、コースもあり2人とかではこちらの方が使い勝手がいいかも。
11月のある日では下記の6品でフルコースでした。
・前菜盛り合わせ5種
(和牛レバーの塩辛、とびっこのポテトサラダ、ラムレーズンチーズ、生ハムのイチゴ添え、牡蠣のタルタルとフルーツトマト)

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・京人参のムース ウニ コンソメジュレ

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・炙りしめ鯖 柿

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・フォアグラ パンデビスのサンドイッチ

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・松阪ポークのロースト ラヴィゴットソース

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カラスミとキノコのリゾット

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どれもおいしいですが、炙りしめさばと柿の組み合わせが秀逸でした。

これで、4000円という価格設定はとてもリーズナブルです。

和食にフレンチらしさでアレンジしてる点やコースもアラカルトもコスパが素晴らしい、通い詰めたくなるお店です。

 

注文はない洋服店(島田洋服店)

服店、と名のつくものに入ったのはこれがはじめてかもしれない。アパレルブランドの路面店セレクトショップに立ち寄ったことは会っても、「洋服店」と名前のついたファッションショップはなかなか珍しいのではないでしょうか。洋服店という名前だと高橋洋服店のようなオーダーメイドの仕立て屋さんを思い出します。

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この島田洋服店、実は洋服屋さんではなく和食屋さんです。
「お任せ」のみのどちらかというと正統派のものをだされる料理屋さんです。

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先付?温泉玉子。タレはあっさり目でそこに柚子が良いアクセント

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お造り。器が良い。まだお伺いした時は残暑厳しい時でしたが、はやくもカンパチが。タイも甘くて食感がしっかりしてます。

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夏らしく、汁物はナスと穴子。今風の濃い味ではなく、優しい味です。

 

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はカツオの藁焼き。提供される直前に藁で焼かれるカツオは香ばしく、火加減も絶妙です。

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ノドグロ?の押し寿司。やや酸っぱめなのが夏に合っています。ただ、魚の押し寿司加減はそこまでもなく、素材の味といった感じです。

タイかグジだったような……

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トマトのジュレ的なものが和風なのに合っていてよかったです。

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コースで唯一変更可能なのは、ご飯を白米から炊き込みご飯に変えられること。この日は夏らしく「たこ」か「あゆ」でした。たこ飯は食べたことあるものの、鮎ははじめてなので、鮎を選択。土鍋で炊くご飯はこういうところならではですね。

 

こういう炊き込みご飯が美味しいお店はとてもステキ。

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デザートはくだものとかき氷的な氷を添えたもの。これもあっさり目

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店名はもともと洋服店としてスタートしたお店をお義父さまが畳まれたので活用しているとか。ミシンのロゴがかわいく、素材の味を活かした味付けと品揃えはリーズナブルだと思います。

また秋が深まったころにいきたいですね。

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都ゆく細道

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一年に一度は東京らしくないところに行きたくなる。それはもっぱら京都だったりして、行き先の偏りはどうにかしなければと思うのですが、京都、関西は見るところが多くふらっと行くのにも困りません。

 

台風が来る10月の頭、台風一過の気温は20℃前後で、晴れもしくは曇り、こういうときに困るのが格好です。

もう一年前の夏から秋の変わり目をどう過ごしたかは記憶になく、毎年手探りです……

とりあえず、雨はもう降らない。ならば革底の靴。そして、気温と京都の寺社の脱ぎはぎを考えるとスリッポンのほうがいい……と、考えチョイスしたのがJohn LobbのAshleyです。アンラインドかつ、履き慣らしたこのローファーの快適度合いは保証済み。実は最近手に入れたGGのAntibesと迷いましたが、まだ擦れることがあり、より長時間の履き心地に不安がない方を。

 

 

さて、肝心な上着やらです。ジャケットがあったほうが財布やケータイなどの収納がラクなので、あとはまあ、好きなので極力羽織りたいところですが、25℃を超えるとやや無理してる感が出て、28℃くらいになると汗ばんで来る気がします。そこで、多少涼しいことの期待を込めて、リネン混のジャケットと、その下は半袖Tシャツとしました。長袖+ジャケットはやはり最高気温23℃くらいのスタイルでしよう。

最近好きなダブルブレステッドのジャケット+VネックTシャツ。

シングルプレステッドのジャケット+Tシャツの組み合わせはかなり市民権を得てるのですが、そこへ行くとダブルブレステッドはまだまだかっちりした服に思われていそうです。ダブルブレステッドの期限がよく言われるような船乗りなどの服装であるならば、そこまでかしこまって着る必要性はないはずです。しかし、布面積とボタン数からか、シングルよりも高級感を醸し出してます。これはもったいない、ということで、考えているのがダブルジャケットのカジュアルな着こなしです。

もっとも、リラックス的な「余白がある」装いがどうも難しく、Tシャツやタイあり、タートルネックなどは余白を埋められるので、できても、本来タイがあるべきところにないノータイシャツのスタイルがダブルジャケットにはどうにもしっくりこず、これもまだまだなのですが……

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兎にも角にも、この格好はまさに適温で関西を満喫することができました。

一泊2日でも靴には疲れが見えますが、ちゃんとケアしてあげれば、いままで以上に輝くのはさすがジョン・ロブです。

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関西に住んでたこともあり、思い入れの地を周ると東京では得られないリラックスができる気がします。

Diao Ye zong:茶靴の風味

凋葉棕とは朽葉色のことを指すようですが、この色はさりとて、葉が朽ちるといってもさまざまな色があります。

ベーシックな革靴の色は黒と茶ですが、バリエーション豊富なのが茶の程度。赤みのあるダークブラウンやライトブラウンもあれば、赤みがまったくないブラウンそのまま、といった色もあり、栗や松、さまざまな木の色に例えるとことが多いようです。木といっても、表面を見てそこまで違いはないですから、ここでの木というのはおそらく、家具としての表面の色合いのことなのでしょうか。

 

同じ名前でも違う色だったり、同じ茶色を違う名前で呼んでいたりしますが、まずは自分の好みの色を見つけるのが茶靴を好きになるポイントでしょうか。

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左からガジアーノ・ガーリング、エドワード・グリーン、ジョン・ロブのローファーです。こうしてみるとガジアーノ・ガーリングだけ一段明るい赤茶という感じでしょうか。いずれの色も茶靴としてはオーソドックスな色だと思います。EGのバッキンガム、JLのアシュリーはアンラインドローファーなので、どちらかといえば春夏向きのローファーですが、一年を通して履ける色合いの靴となっています。GGのアンティーブスは内張もしっかりとしたローファーなのですが、色合いは本来もっと薄く、濃いめにしようとしてこのミディアムブラウンの色合いまで来たのですが、もう少し濃い色に染めていきたいですね。

 

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一方こちらはミヤギコウギョウのUチップ。ブラウンで実はもっと明るめ……のものが標準らしいのですが、明るすぎるよりも暗めのUチップを探していたので手に入れました。ほぼ赤みはなく、ぱっと見は黒に見えそうほどの濃い茶色。

 

靴が靴らしくなるのには2年くらい経ってからと聞いたことがありますが、特に茶靴はその傾向にある気がします。アンティーク模様や好きな色合いに染まっていくのが手に取るようにわかるのは茶靴ならではです。

 

お箸を止めるな!

最近、和食を食べる機会が多いせいか、あるいは以前よりぼんやりと食べることはなくなったせいか、やや傾向があると思います。

創作に振る創作系、伝統を守る伝統系の大きな枠組みは昔からあるものでしょうが、焼き鳥のワインとのマリアージュや、熟成寿司など、ここに来て21世紀のトレンドなのではないでしょうか。

 

1)伝統系

昔からの作り方を守るもので、寿司がわかりやすいでしょうか。使うネタの種類も江戸前的な範囲に限定しがちですが、その分わかりやすく、仕事をするタイプのもの。

懐石やちょっとお高い居酒屋系だと出汁はちゃんと魚介で取り、刺身も変わったネタより季節のネタを使い、旨味をだしてくるタイプ。老舗のお店が必然的に多くなりますが、若くも愚直に守るタイプ独立店もあるようです。

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2)創作系

創作系はa)他料理素材を使ったり、b)クリエイションにこだわったりとするのものがありますが、大抵両方のテイストが入っているのではないでしょうか。

寿司にフォアグラを使ったり、肉じゃがの構成要素を変化させたりするものです。他料理から進出して来た料理人のお店や、和料理なら和料理の職人だけれども若手の方が他国料理に触発されて、のパターンが多いのでしょうか。

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もちろん、新しい手法を取り入れない、というお店はかなり少ないでしょうし、寿司が誕生した江戸時代からすると新しい手法の軍艦巻きが広まって、もはや伝統的に見え、海苔で巻かないイクラカニ、ウニの寿司の方が珍しい選択でしょうから、この辺を厳密に考えると多くのお寿司屋さんは創作と言えてしまいます。そこで、テリーヌやジュレといった西洋料理的な手法や、フォアグラやバルサミコ酢といった西洋料理の素材を使っているものに関しては、創作的といった方が分類する意義がありそうです。

また、熟成のような手法も、もともと「寝かす」といった仕事が江戸前寿司にはありつつも、それを強調して注目さらたのは、熟成肉ブームの後のようですので、これもニューウェーブといえそうです。

 

中華やフレンチ、東南アジア料理なども日本に入った時点で日本人に好むようにつくられてますし、昔の人より現代の人のほうが塩辛くない味付けが望まれる点では常に革新があるとは思いますが、単に「日本料理」「和食」というのも幅がありますのでこういった分類をしていければより、店の特長や時代の特徴を掴みやすいかもしれません。