二次関だけのバカンス:メイドインジャパンの靴

日本製を絶対に買わない、と言う人が家電や車なんかだとそこまで聞きませんが、ファッション関連だとやや多く現れる気がします。


たしかにスーツファッションの本流はイギリスですし、フランスやイタリアの各ファッションが「らしさ」を持っているのに対して、日本ならではのスタイルというのは弱いかもしれません。少なくとも欧米ブランドが、それぞれ「ならでは」の進化しているのに対して日本にはないよね、というのが、ニホンモノを持たない人の主張でしょう。

しかし、こうしたコメント、正直最近は減っていると思われます。


1つは日本のモノがシルエットや縫製などクオリティが良くなったこと。もう1つは日本製衣類がそうしたしっかりした設計のものばかりになり、安かろう悪かろう的なモノが中国より東南アジア製品になっていったこと。この二点の影響でしょう。

象徴的なのは日本でのグッドイヤーウェルテッドシューズの最も安価なものの1つは日本製ではなく東南アジアブランドであることでしょうか。


実際、日本の靴はシルエットや素材も充分ではないかと思います。

私がたびたび紹介して来たWFG別注ミヤギコウギョウのものは、ラストが合えば、丁寧な縫製を含めたしっかりした造りで、欧米のものでこの価格では買えないでしょう。踵が小さく、英国産の靴も、モノによっては脱げそうになる私の足にピッタリとフィットします。強いて言えば革が同価格帯の他ブランドよりやや劣るかもしれませんが、磨けば光りますし、手入れをきちんとすれば問題はないと思います。(ここを高級にしたアップデート版があれば……とよく聞く気がします。パターンオーダー会をたまにやってますが、そうした意味ではここで消化される欲求かも)


セントラル製靴のものも最近履くことがおおいですが、これも縫製などつくりの面、ラストなどのフィットの面もとても良いと思います。ミヤギコウギョウより革質は良いきがしますが、そのぶんステッチは荒いかもしれません。比べれば、のはなしですが。

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逆に日本ブランドの靴に足りないと思うのはカジュアルの靴。

例えば、トリッカーズのカントリーブーツや、ローファーなど、です。

キャップトゥや、セミブローグは日本製で揃えたのに対し、アンラインドローファーや、アンラインドチャッカといった「しっかりしてるところとゆるいところがある靴」や、カントリーブーツのような「ゆるいけど、どっしりしてる靴」といった塩梅は日本ブランドでは見かけない気がします。もちろん日本ブランドが取り組むほどの需要・競合とのブランド力などマーケティング分析によってあえてやってないジャンルなのかもしれません。

個人的にはオンは日本ブランドに任せっきりですが、それが全てになる日も近いのかもしれません。