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真夏の夜の靴

Edward Green ファッション

 

夏のブーツは、履いているほうも見ているほうも暑苦しいのでブーツ好きやよほどのシーンでない限りめったに履くことはないでしょう。しかし、スエードは秋冬のものという認識から、シーズンに関係なく履ける靴となってきました。スエードはもともとカジュアルなものという認識でしたが、服装のカジュアル化の波に乗って、シーズナブルでカジュアルには使い勝手が良いもの、とした立ち位置に移動したようです。起毛素材ですので、フランネルやツイードなど毛のイメージが前面に出ている秋冬のものと相性がいいですし、スエードそのものが同じようなイメージを想像するため、スエードに対しても、秋冬のイメージが強かったのでしょう。

 

 

しかし、起毛であるということは、やわらかいアイコンであり、表革的な「ぎらつき」がないやわらかいカジュアルな装いに最適なアイテムとして用いられたことが、最近のスエードの通年使用の原因、のひとつかもしれません。

スエードを採用している靴のスタイルは「内羽根」「外羽根」のキャップトゥやセミブローグ、ダブルモンクなどのビジネスシーンでも定番のスタイルだけでなく、ローファーやドラインビングシューズなどスリッポン、チャッカブーツアンクルブーツなどブーツ類も良く見かけます。ビジネスシーンで見かけるようなスタイルも、スエード化するとずいぶんと印象が変わりますが、もともとカジュアルなスタイルであったローファーやチャッカブーツがスエード化すると、カジュアルさはそのままながら柔らかな印象が付与されると思います。ジャケットのアンコン流行、ジャケット素材としてジャージーの勢いが用いられるだけでなく、同じくパンツや、シャツでもジャージ素材を取り入れ、「動きやすい」カジュアル化が進む一方で、コットンスーツやニットタイの復権など、見た目は(ある程度)ドレス要素があるスタイルが注目を浴びているのではないでしょうか。靴においても、ランニングシューズやサンダルではなく、レザーシューズとしてのきっちり感あるシルエットを保ちつつも、表革にはなかった柔らかさがあるのがスエードといえるのかもしれません。

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