四角いツマサキを丸くする?
靴のスタイルとして、プレーントゥだとかフルブローグだとかいろいろありますが、つま先の形状も重要な要素の一つ。
四角い「スクエアトゥ」と丸い「ラウンドトゥ」、それぞれの捨て寸や角度によってかたちは変わりますが同じタイプの靴であっても印象は変わってくるものです。
1枚目はクロケットアンドジョーンズのブーツ。2枚目はトリッカーズのブーツ。どちらもラウンドトゥですが、トリッカーズのほうがよりラウンドしている、幅広で、曲線がなだからな靴になります。一方、C&Jの方はシュッとしたスマートなラウンドトゥ。トリッカーズよりも服装もスマートなものに合わせやすいと思います。
こちらはともに同じエドワード・グリーン。前回紹介した茶靴のバッキンガムと、黒靴ピカデリー。同じローファーといえども、いろいろ細部は異なります。特にそのつま先を見てもらえると、(ラウンド)スクエアトゥとラウンドトゥの違いが顕著でしょう。スクエアトゥのバッキンガムのほうが、ラグジュアリー的というかドレス寄りな印象に対して、ピカデリーのほうはラウンドトゥで定番的です。
個人的にはこのようにラウンドスクエアトゥ>スマートなラウンドトゥ>ぼってりしたラウンドトゥの順番にドレスらしさを感じますが、一方で完全なスクエアトゥのようなスタイルはモード的だったり、いわゆるギョーザ靴らしさを感じてしまい、装いに取り入れたことはないです。一番使いやすいのはスマートなラウンドトゥでしょうか。
流行り廃りとあまり関係のないと言われる靴ですが、流行もあり、スクエアに近いトゥ〜スマートなラウンドトゥ、ぼってりしたラウンドトゥが流行の中で行ったり来たりしているようです。
しかし、真四角なスクエアトゥのような行きすぎない形状のものであれば長く使うことができると思います。(ちなみにラウンドトゥとスクエアトゥ、どちらがよりクラシック・トラディショナルなのか?スクエアトゥのほうが誂え靴の文化であり、ラウンドトゥは工場生産の産物だ、と聞いたことはありますが、そういった記述をwebサイトや書物で見つけることはできませんでした。たしかにチゼルトゥのような誂え靴の文化を見るとその説に傾きそうな気がしつつも、クラシックなスタイルとしてはラウンドトゥか、セミスクエアトゥがまずくる印象です。)