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戦車的、あまりに戦車的な

映画 アニメ

ガールズ&パンツァー劇場版』を観ました。以下ネタバレありの感想です。

 

 

 

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<誠に小さな学園艦が廃校期を迎えている。小さなといえば、大洗ほど小さな学園艦はなかったであろう。

特色といえる特色もなく、人材といえば長年の間、よくある特権階級であった生徒会しかなかったように見えた。
廃校の危機によって、大洗ははじめて実践的な「戦車道」というものをもった。誰もが「戦車道履修者」になった。
不慣れながら「履修者」になった大洗学園生徒たちは、大洗学園史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。
この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。

学校のどういう階層のどういうタイプの子でも、ある一定の才覚を認められるために必要な記憶力と根気さえあれば、車長にも装填手にも操縦手にも通信手にもなりえた。
この時代の明るさは、こういう楽天主義から来ている。

今から思えば実に滑稽なことに、米と絹の他に主要産業のないこの学園の連中が
ヨーロッパ先進国と同じ戦車道を持とうとした。
運営が成り立つはずは無い。

が、ともかくも優勝校に創り上げようというのは、もともと戦車道再成立の大目的であったし、再設立後の新履修生達の「少女の希望」であった。>

 

 といった感じだった本編。この本編をもう一度なぞるのが映画版だったと言えます。演習の敗北、実は廃校の危機であること、負けそうな強敵との戦い……こうした本編の要素が再奏されています。

単なる繰り返しではなく全てがより豪華というか、派手になって進行していきます。模擬戦としてのエキシビションは2校対決に。神社、商店街、駅前、ショッピングモール、水族館と、大洗の街をより広範囲に、それこそ余すところなく駆け巡ります。(そして、ド派手にぶちかまします。)

そして、負けられない戦いは一戦はりつつも、30両vs30両に。本編プラウダ戦にてトリッキーな動きを見せたカメさんチームの役割はミカ率いる継続高校が、敵をおちょくるゲリラ戦的な役割だったアヒルさんチームの役割を知波単高校が、全部ではないが引き受けていた箇所があったりと動く人数も増えています。

舞台も決勝戦的な、草原・森林からの都市という構図は同じですし、のんき?に前進している途中でピンチになるのも同じ構図です。

しかし、スケールは大きくなります。草原で襲ってくるのはカール自走臼砲だし、市街地に襲ってくるのはマウスの代わりにT-28です。そして市街地ではなく遊園地。

天王山、とでもいうべきクライマックスでは、本編決勝戦の反復が行われますが、それもまた派手に豪華になります。同じ場所をクルクルまわるという決勝戦クライマックスを反復しつつ、西住姉妹の共闘・遊園地という場を活かした遊具の散乱といった豪華版になっています。

なので、正直言ってストーリーというほど何かがあるわけではなく、キャラクターと戦車があるといった印象です。

ドンパチ、と聞くと銃撃戦ですが、そうではなく戦車戦として、クルスク戦車戦を超えたドンパチアニメ映画。それがこの映画ではないでしょうか。