映画

Another Day of Stars:La La Landの夢

※この項は『ララランド(La La Land)のネタバレを含みますぞい。 この物語は、時代がいつなのだろう?と思うところが節々にあります。それは、まず第一におそらく画質や原色使いのファッションのせいなのでしょうが、プリウスに乗っていることやスマホをい…

Repeat after me

――歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」マルクス「ブリュメール18日のクーデタ」のこの言葉は、あまりにも有名ですが、なぜに二度目は喜劇(コミカル)になってしまうのでしょうか。それは歴史として記憶されるような劇的なムーブメン…

意味というヤマイ:『シン・ゴジラ論』意味に憑かれたゴジラ

柄谷行人『意味という病』。最初に書店の本棚でこの背表紙を見かけたとき、意味を過剰に読み解くものを嘆く話かな、と思いましたがそうではなく、意味を読み解くという行為が実は近代的なものである、といったような話でした。フィリップ・アリエス『<子供…

監獄の壇場:映画『ロブスター』について

ゲーテの名言にこんなのがあります。 ー人生は全て次の2つのことから成り立っている。「したいけれど、できない」「できるけれど、したくない」ー 恋愛においてこれを体現したのがこの『ロブスター』という映画ではないでしょうか。 『ロブスター』の世界で…

戦車的、あまりに戦車的な

『ガールズ&パンツァー劇場版』を観ました。以下ネタバレありの感想です。 <誠に小さな学園艦が廃校期を迎えている。小さなといえば、大洗ほど小さな学園艦はなかったであろう。特色といえる特色もなく、人材といえば長年の間、よくある特権階級であった生…

007の亡霊(たち)

『007 スペクター(Spectre)』を観ました。以下核心部分含め所感です。 ダニエル・クレイグ主演4作目のジェームズ・ボンド。『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』『スカイフォール』と続くこの作品、 まず、注目したいのは光の影の使い方。イタリアの宮殿…