運命のネイビーサイド

はた目から見ると同じように見えるけれど、ついついワードローブに増えてしまうたぐいのものが1つや2つ、あると思います。 シャツや、ジーンズ、スリッポンなど、色味や襟型が違っているからこそ、手にして今うわけですが、家族から見ると「同じようなものを…

His Last Shoe(s)

スーツは、ジャケットは、パンツは、ネクタイは、どれくらいあるのが適切なのでしょうか。ちゃんとその最適解を持ち合わせ、必要数で、着回しができる人は、あんまりこういった服に興味ないか、かなり客観視ができる方なのでしょう。 一回の外出で着れるアイ…

飽き屋の冒険

ドレスクロージングのアイテムは、新しく手に入れた時より、使い込んでいったほうが「モノになる」感があります。リネンジャケットの皺や、コットンシャツのヨレなど、着ている人になじんでいる感を与えるとともに、「ファッションアイテムとの距離感」が分…

シャツプラトー

ネクタイは、2枚のパンに挟まれた「具」のようなものである。「具」がまずければ、どれほどおいしいパンでもまずく感じ、「具」がおいしければ、多少まずいパンでも我慢できる。 イタリアンクラシックの旗手として知られた落合正勝氏はこう言ってました。「…

今年もブルーが流行

フランスの思想家ロラン・バルトによるエッセイに「今年はブルーが流行」というものがあります。私なりの理解をすごく簡単に言うと「ファッションの言葉はふわふわしているよね」を指摘していて、たとえば、「光沢のある生地による濃紺ダブルスーツは冠婚葬…

平和の祭典

La Paix、フランス語で「平和」意味しますが、日本橋にあるフランス料理店のお名前でもあります。 クラシックな、ソースが濃厚なフレンチとは違う、和のエッセンスや旧来のジャンルを超えたエッセンスが入った「モダンフレンチ」のお店です。日本橋のモダン…

ドライブ・マイ・キュー

フレンチと言えば、魚のムニエルとクリームソースだったり牛肉と赤ワインソースだったりと、味は濃く重く、存在感たっぷりなものです。 対して和食は「引き算」と言われるように、素材の味を魅力的にする、シンプルなものと言えるでしょうか。刺身なんて、魚…

気分なの(In the Mood)

「今の気分」は、ファッションを語る上で最も出てくるワードの一つではないでしょうか。 ファッションアイテムのチョイスやコーディネートでのポイントを語る上で、「○○を取り入れたコーデが、今の気分です」などと語るセリフを多くの方が見たことがあるでし…

レバノンで朝食を(京都篇)

京都で朝食というと、まず思い浮かぶのは和食でしょうか。街のイメージに近いですし、朝から炊き立てのお米を味わうのは元気が出ます。 あるいは、喫茶店のモーニングも比較的多い街ではないでしょうか。 一方で、知らなければ決して候補にあがらないのが「…

ULTRA BLUE

ドレスクロージングにおいて、靴はともかく、初めの1着としてオススメされるのは、ネイビージャケットかネイビーブレザーです。それは、ネイビーの色が、ほかの青系統の色や、茶色など多くの色合いに合うからでしょう。 一見すると黒にも見えるストイックさ…

新橋日和

「新橋色」をご存じでしょうか。少し緑がかった明るい青色で、新橋=モダンなイメージがあった時代だから、モダンな色として「新橋色」と名付けられたそうです。 同じ青系統の色でも群青色や藍色といった落ち着いた色は和名が知られていますが、「新橋色」は…

週2歩のマーチ

割烹、焼き鳥、ビストロ、スパニッシュ、カレー…さまざまな料理ジャンルがありますが、ジャンルとして、とりわけ「予約が取りづらいお店が多い」のが、お寿司屋さんだと思います。 名店とは聞くものの、まず予約ができないし、たまたま入れたとして次のお伺…

愚管ノート:服喪の装い

西洋から伝わってきたスーツスタイルですが、リクルートスーツや冠婚葬祭の「礼服」は、日本独自の文化としてよく指摘され、スーツの着こなし文脈では、批判されがちです。曰く、「厳粛さを表すならシックなダークネイビーやチャコールグレーで十分」「黒は…

Great Jackety

「(スーツ)ジャケットは肩できる」と言われる通り、ジャケットの良さ、つまり合うか合わないかは、肩にフィットするかどうかにかかっています。 「肩」と一言で言っても、肩幅に合うかだけではなく、肩の傾斜やアームホールの位置とその大きさなど、「肩回…

負けるシャツ

「シャツは消耗品」と言われます。シャツはジャケットやパンツよりも洗濯回数は圧倒的に多いですし、肌に近いところなので、蓄積するダメージが高いと言うことがあるのでしょう。 靴やジャケットは10年もの、20年ものを聞きますが、シャツについて同じような…

再訪のグルメ

東京で1番推してるフレンチかもしれませんが、日本橋にあるボンヌターブルがとても気に入ってます。ランチ・ディナーともに安くはないですが、もっと高い価格帯のフレンチに劣らない、和食のインスピレーションを感じるような「新しい」ひと皿や、盛り付けが…

In a Narrow tone

ホリゾンタルカラーのシャツは「流行った」過去のものとなりつつあり、タブカラーやボタンダウン、ピンホールなど、「Vゾーンは広いものから狭めて盛り上げるもの」へと移行しつつあります。 高度経済成長期や固定電話など、10~20年続くから当たり前だと思…

Luster Blossom

セールシーズンになると、いままで興味のなかった柄や形のアイテムが気になりますが、その中で「もの」になっていくものは多くないのではないでしょうか。 もっとも、通常価格で買ったものが、長く活用できるているかと聞かれると何ともお応えにくいですが………

(Maybe) In The Mood

革靴の製法について調べるといろいろありますが、少なくない方が「グッドイヤーウェルテッド製法」のものを持っているのではないでしょうか。 グッドイヤーウェルテッド製法はそこを取り替えれば、履き続けることができるので、アッパーの革の手入れを続けて…

Jumpin’ At The Roadside

尻手黒川線、という名前を聞いてパッとイメージが浮かぶのは川崎市民か、神奈川東部の道路事情に詳しいかたでしょうか。 川崎市内の南:尻手〜北:黒川を結ぶ文字通りの道路で、神奈川県内の鉄道に詳しい方なら、南武線の道路版とか、川崎市営地下鉄のイメー…

月と五円:絵画に学ぶ装いの色

クレラー=ミュラー美術館所有のゴッホ作品をメインとしていたゴッホ展が東京都美術館でありました。 展示会のトリとして掲示されていたのは、この『糸杉と星の見える道』*1。展示会の表題は『夜のプロヴァンスの田舎道』となっており、英語版wikipediaによる…

星影のスカラー

カジュアルなスーツとしてツイードやコットン、リネンなどがありますが、シャツやタイにも同じようなジャンルがあります。 コットンの織り方やストライプなどでもフォーマル⇔カジュアルの幅があるのですが、無地の場合、色については、白いシャツがもっとも…

カンナカムイの食

札幌と言われて最初に思い出すのはなんでしょうか。雪まつり、時計台、カレー…… 観光で訪れるのであれば、グルメは楽しみの一つだと思いますが、札幌ならばカレーやラーメンと言ったお手頃な価格のものからジンギスカン、そしてお寿司といったところでしょう…

ULTRA NAVY

突然ですが、これは何色に見えるでしょうか。ブルー?ネイビー?ネイビーだとしたら結構明るいネイビーですよね。ネイビーとブルーとの「きわ」にあるといってもいいかもしれません。 実際の色味は写真左上の肩付近(右肩)に近いですが、光沢があるせいか、…

I'd leave alone : ”No Time To Die”

"There's just no time to die" ”No Time To Die”を観たのでその感想です。 当たり前のようなことですが、主題歌には「テーマ(主題)」が詰まっているわけです。007シリーズ”No Time To Die”の主題歌は映画と同じです。 冒頭の言葉は曲の盛り上がりでててく…

屋根裏の冒険:『007』と『ナイブス・アウト』

一週間足らずで、公開される『No Time to Did』を持ってクレイグボンドは終わりを迎えます。 『カジノロワイヤル』から、よりシリアスな作風として「リブート」した007シリーズですが、ちょうどそれはメンズドレスファッションの「揺り戻し」のタイミングに…

半年の散歩

紐靴よりスリッポンのほうがカジュアルな装いでも対応が可能ですが、スーツの素材感を注意しないと、ちぐはぐになってしまう恐れがあります。 リネン・ポップサック・ブラウンなど、素材や織、色がカジュアルなものであれば、スーツとスリッポンの合わせがし…

復活の火

テレワークが加速すると、ファッションはどうなっていくのでしょうか。 9年前も「一気にリモートが加速し、通勤からは解放される」といった予測はありましたが、結局はそうはなりませんでした。 もちろん、SaaSは、クラウドサービスがコスト安くつくれるタイ…

趣の果て 至上の時

革靴愛を語る投稿がちょっと盛り上がっていたようで。 ・革靴について https://anond.hatelabo.jp/20200203232919 ・革靴の沼にハマりつつあるハードウェアエンジニアの備忘録 https://anond.hatelabo.jp/20200219225124 基本的にスーツもそうですが、革靴も…

甲乙の彼岸

Less is moreという建築界で有名な言葉がありますが、ごてごてした装飾ではなく、余計なものをそぎ落としたシンプルなデザインだからこそ、惹かれるものがあるのでしょう。しかし、それは手間ひまやコストを惜しんだ、というわけではないと思います。時計の…